アムネシアを枯らすな 3 (ページ41)

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140.悪気は無いよねページ41

＜チャニョル＞

Aちゃんがベッキョンと会って帰ってきてからのジョンインは…結構疲弊しているようだったから、賢明な判断だと思う。

「じゃ、セフナはお預かりしますねー」

「よろしくお願いします、チャニョル先生！」

にっこり笑うAちゃんを見て…少し、安心する。

夫婦共々疲弊してるんなら心配だったけど…これなら、ジョンインを支えることができるだろう。

『Aちゃんと会って、どうだったの？』

『楽しかったよ。Aも、楽しそうにしてた』

土曜日の夜。ベッキョンと電話した時、ベッキョンの声は明るかった。

…複雑、だったけどな。

「じゃあね、おんま！僕、1人で行けるから、大丈夫でとぅよ！はやくあっぱのところにかえってあげて！」

「ふふっ…ありがとう、セフナ！じゃあ…チャニョル、よろしくね」

「…うん。気をつけて帰ってね、Aちゃん」

「ありがとう。セフナ、いってらっしゃい！」

「うん！おんま、かえってらっしゃい！」

「ぷっ…！」

かえってらっしゃいって！と、Aちゃんと俺は笑う。

Aちゃんは笑いながら、手を振りながら、元来た道を帰って行った。

見えなくなるまで、俺とセフンは手を振った。

「よし、セフン、じゃ中入ろっか」

「うん！…あ、てみな！」

「ん？」

セフンの目線の先…

「おはようございます、チャニョル先生」

「おはよう、せふな！じょんいなは？」

テミンと、そのお母さんが一緒に来ていた。

「あぁ…おはようございます」

俺は軽くテミンママに頭を下げて、目を逸らす。

…前、Aちゃんについて、問い詰められたことがあって…あまり、会話したくない。

「ねぇ、せふな、じょんいなはー？」

ほんと、テミンはジョンイン大好きだな…あまり、触れてほしく、ないのに…。

「あっぱはおやすみ！」

「あら…セフンくん、あっぱ病気なの？」

…ほら。テミンの母親、食いついてきた。

「ううん、だいじょうぶ！おんまもいるし！」

「…そう」

テミンママは、にっこりと笑う…が、目は笑ってない。

…子どもは、純粋すぎて怖い。

何の悪気も無いのだ。

「せふな、はやく中はいろー！」

「うん！」

テミンはセフンの手を引いて、走って行ってしまう…

「そ、それじゃ、俺もそろそろ仕事に、」

「チャニョル先生」

テミンママのその声に…俺は、つい怯んでしまった。

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