アムネシアを枯らすな 3 (ページ15)

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114.カフェの予約ページ15

＜ジョンイン＞

…あぁ、マジでベッキョンさんに電話する気、失せた…。

チャニョリヒョンの電話を終え、どっと疲れが出る。

チャニョリヒョンって、優しくて気の利く人なんだけど…たまにグサッと本質を突いてくるから、厄介だ。

…俺の、ケジメ…そう、だよな…。

あぁ、嫌だ。

後ろめたい気持ちがあるのに、あの人に電話するなんて…。

スマホの連絡先を見る。

…先に、違う人に電話しよう。

「もしもし」

『ふわぁ…もしもし…どなたですか、こんな夜中に…』

電話の相手。それは…

「ジョンデヒョン、お久しぶりです。ジョンインです」

『お、ジョンイン！1週間ぶり！！』

ジョンデヒョンは途端に目が覚めたようなはっきりと通る声になった。

『どうしたの？』

「実は…明日、先週みたいに、ちょっと協力してほしいというか」

先週。

まだAがベッキョンと暮らしていて、結婚したいと言い出したから、1週間に1回会わせろ、と言って。

その場所に指定したのが、ジョンデヒョンのカフェ。

そして、俺とAが出会ったバイト先でもある。

あの頃バイトリーダーだったジョンデヒョンは、そのままカフェに就職して、今では店長だ。

…というか、まだ1週間なのか、Aが戻ってきて…。

『明日！？これまた急だな…』

「すいません。あー、別に、特別なことをしてほしいんじゃなくて。ただ、テラス席を予約したくて…先週みたいに」

『そっか。了解。ほんと、Aちゃんとジョンインには普通の客として接すればいいんでしょ？』

あ…そっか。ジョンデヒョン、Aが俺の元に帰ってきたの知らないから、勘違いしてる。

「あー…そうじゃなくて…あの、Aの元彼、いるじゃないですか」

『…あの、バイト時代に付き合ってた例のDV彼氏…？』

「はい。その人と、Aです」

『…へ？ど、どういうこと…！？』

まぁ…ほとんど何も知らない人からすると、そうだよな。

ジョンデヒョンには、Aが記憶喪失で俺のこと忘れてる、としか言ってないし。

「まぁ…とにかく、その人がAに変なことしないか、も、見ててもらえれば助かります」

『…そ、そんななら、会わせない方が、いいんじゃないかな…』

ごもっともだ。俺もそうしたい…けど。

「ケジメを、つけなきゃいけないんで」

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