291.定時帰宅は2人だけ ページ44
＜ベッキョン＞
…仕事って、案外、楽しいかも。
「ベッキョンくん、順調だね」
隣の席のミンソクさんがにこにこしながら俺を見る。
午前中とは違い、Aの家に行くために黙々と大人しく仕事してたから、安心してるのかな…
まぁ、チャニョルの野郎となんか話してたの、非常に気に食わなかったけど！！！
その時はイライラしたけど、カイが黙らせて…くれたみたいで。
なんとか落ち着けて、仕事に集中できた…というか、仕事自体楽しいし。
「まぁ…意外と楽しくて！」
「そうか、よかった！作業も早くて、ホント助かってるよ〜、午前中はどうしようかと思った…Aちゃんの躾が効いてるみたいだね！」
「あはは〜そうですね〜」
ミンソギヒョン、午前中めっちゃ困った感じだったもんな…自分が俺をこの会社に誘ったくせに。
まぁ、ミンソギヒョンとはそんなに関わってなかったし、俺の凶暴性には詳しくなかったのかな。
「仕事量も普通の社員の何倍もやってるし、初日からよく頑張ったね。もうすぐ定時だから、そろそろ帰る支度してもいいよ」
「え、定時！？」
時計を見る。
もうすぐ18時…すごい。こんなに時間を忘れて集中できるんだ、俺…。
「帰って、Aちゃんの家に行くんだろ？」
ニヤニヤと笑うミンソギヒョン…ホント、外野から人間関係見るの楽しそう。
「はい！帰ります！」
帰りの支度を始めようとすると。
カチッ！バタン！ガラッ！
Aも、さっさとデスクの上を片付け始めた…よっしゃ。
俺はカバンを持って、Aの方に向かう。
「A！帰ろ〜！」
「うん。お疲れ様でした」
Aは周りに挨拶をする…
あ、カイは帰らないんだ。カイだけじゃなく、みんな…
そりゃそうか。俺のせいで仕事に集中できなかっただろうし。
よし、2人きり！！！
「早く帰ろ！！」
「ちょ、ベク、慌てないの」
俺はAの手を引っ張るようにして、るんるん気分でオフィスを出た。
「あーーーっ！！！久しぶりのAの家ーーー！！！」
家に着くと真っ先にリビングのソファにダイブする。
「ベク…うるさい」
「いいじゃーん、2人きり、なんだし！」
「もう…」
「ほら、A、来て！ご褒美ちょーだい！」
「はいはい…」
Aは渋々といった感じで俺の方に近寄ってきて。
「ちょっ…！」
俺はAの腕を引っ張って、腕の中に収める。
…うん、幸せ。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年9月17日 21時
