282.気にするだけ無駄 ページ35
＜チャニョル＞
俺はギョンスとカイに、土曜日の夜にあったことを話す。
「…っていうやり取りがあってさ…」
「…ミンソギヒョンかよ、言い出しっぺ…」
カイは呆れたように呟いた。
「でもミンソクさんも相当手を焼いてたみたいだけど…」
「自業自得でしょ。あの人、人間関係見るの好きらしいから。そんな好奇心でベッキョニヒョンを会社に入れようなんて…」
カイは不機嫌そうにご飯を口に運んだ。
「しかし、ベッキョンって何者なんだ…ありゃ化け物だぞ…」
ギョンスがそう言った、ちょうどその時。
「わー！美味しそうなものいっぱい！」
…噂をすれば。
入り口の食品サンプルのショーケースの前ではしゃぐ、ベッキョンと。
「ベク、静かにして」
「あ…ごめんなさい…」
ベッキョンと腕を絡めている、A…。
A、そんなに嫌そうじゃないし、ちゃんとベッキョンはAの言うこと聞いたけど…なんの話ししてたんだろう…。
俺は無意識にカイを見る。
カイはジトッと2人を見つめていて…心なしか、その目線は腕にあるように思う。
「カイ、あぁいうのは気にするだけ無駄だぞ」
「…そう、だよね、ギョンスヒョン…」
ギョンスに言われ、カイは定食に目線を戻すが。
「提供早っ！わぁ、すごい、おいしそ〜！」
「だから静かにしなってば…」
「あ…ついつい…」
周りも2人に注目してるっていうのもあるけど…やたら耳に入ってくる2人の声。
カイはやっぱり気になるようで、チラチラと2人を見ている…
ほんと、こういう所はかわいいんだから…。
「早く食べたい！席どこにする？…あ！」
ベッキョンは俺たちの隣の空いているテーブルを指さす…わざと、だろ。
「あそこにしよ！ちょうど空いてるし！」
「…他に空いてるところあるでしょ」
Aも、俺たちに気づいたようだ。
「風水的にあそこがいいの！行くよ！」
「ったく…風水って何よ…」
ベッキョンは器用にお盆を片手で持ったまま、Aを引っ張ってこちらに来る。
お盆の上、大量の料理…え、どんだけ食べるつもりだよ。
「はい！Aは蕎麦ね〜！いただきまーす！」
「…いただきます」
2人は俺たちの隣のテーブルで食べ始める。
カイは…眉間に皺が寄ってる、けど…
席を立ったりはせず、黙々とご飯を食べてる。
意地、かな…。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：LUKE | 作成日時：2020年9月17日 21時
