251.険悪ムード ページ4
＜チャニョル＞
ベッキョンが出て行ってからしばらく、なんだったんだろう、と呆然としていたけど…
やば、そろそろ帰らないと、心配される。
ハッと我に帰ってトイレを出て、病室に戻る…と。
「セフナ〜〜離せ〜〜っ！！！」
「はいはい大人しくできるならねー」
「ギョンスヒョン、落ち着いて…」
「ったく、なんなんだ、コイツは…」
…どういう状況。
セフンがベッキョンを羽交い締めにしてて、カイはギョンスを宥めている…
見たところ、ベッキョンとギョンスがケンカ…？
「あ、帰ってきたんだー人殺したのかってほど執拗に手を洗ってたチャニョルー」
「殺っ…！？」
セフンに動きを封じられたまま顔だけこちらに向けて言うベッキョン。
…確かに手洗いながらベッキョンと会話してたけど…なんて表現だよ、人聞き悪い。
「な、なにがあったの…？」
恐る恐る聞いてみると。
「コイツ、人のこと散々バカにして…許せない！」
「バカにしてないよギョンスさんー、ジョークだって言ってんじゃん！石頭だね〜」
「なんだと！？」
「まぁまぁ…」
言い合うベッキョンとギョンスに、それを宥めるカイとセフン…
カオス。
「ま、まぁまぁギョンス、落ち着いて…ここ、病室だから…」
「…ったく」
ギョンスは大きなため息を吐く。
「チャニョル、帰ろう。ここにいても気分が悪いだけだ」
「あ…うん…」
ギョンスは帰る支度を始める…
いや、そもそもここに来たのって…
「チャニョル、ギョンス、帰るの…？」
ベッドに寝ているAが、顔だけ動かして俺を見ている。
…俺、Aのお見舞いに来ただけなのに、なんでこんなことになってんだよ。
「う、うん。ごめんね、色々騒がしくしちゃって…」
「大丈夫。慣れてるから」
Aは平然と言う…そりゃあ、ベッキョンみたいなヤツと一緒にいたら、慣れるよな…。
「やっと帰るんだね！やったぁ！！」
喜んでいるベッキョンに対し。
「…2度と会いたくない」
ギョンスは不機嫌そうに呟いた。
「ごめんね、うちのベクが失礼なことして」
Aが申し訳なさそうに言う。
「い、いや、Aが謝ることじゃ、」
「Aさん、もう少し躾をちゃんとした方がいいぞ」
「ちょ、ギョンス…」
相当ギョンスのベッキョンへの印象は悪いらしい…いや、俺もだけどね。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年9月17日 21時
