272.溜め込んでいた愛 ページ25
＜カイ＞
何度果てても、ちょっと休憩して、もう一回、もう一回って…。
まだまだ、俺が溜め込んでたAへの愛は、そんなもんじゃない、と。
何度も求めて…求め合って。
何時間、そうしていたんだろう。
昼前に家に来たはずなのに…夕日が赤く照らすのが、カーテンの隙間から見えた。
「はぁ…はぁ…」
「ジョンイナ…体力、ありすぎ…」
「大丈夫…？」
「もう、さすがに、むり…」
困ったように笑うA…可愛い。
Aの笑顔が、好きだ。
「…そんな可愛い顔されたら、また元気になっちゃうんだけど」
「ばっ…！！」
Aはバサッと布団を頭まで被る。
「あー！隠すなよ！見たいんだから」
布団をずらすと、ひょこっとAが目から上だけを出して、俺の目を見る。
…ほんと、何回でもいけるんですけど、俺。
「…ジョンイナ、カイの真似したでしょ」
布団から出たAの目が細くなる。
「え…？」
「なんか…その…指の動かし方とか…」
…違和感、感じるものなのかな、やっぱり…。
夢中になってたから、何も意識してなかったんだけど。
「…いつもと、違った？」
「うん…上手に、なったね…」
手を伸ばして、俺の頭をよしよしと撫でるA。
「…なんだよ、子ども扱い？」
「んー、元々私の方が年上でしょー？」
「そんな変わんないじゃん、歳…あ、ヌナって呼ばれたいの？」
「ぬ、ヌナ…いい、かも…」
Aは想像したのか、ニヤニヤとしてて。
俺は布団を退けて、Aの耳元に唇を寄せた。
「Aヌナ」
「っ…！」
「あはは！嬉しかった？」
「…う、うん…」
Aは、素直に目を伏せて頬を赤らめてニヤけている…
「…ごめん、もう一回！！」
「え！？」
バサッと布団を投げ捨てれば、露わになるAの綺麗な身体…
「も、もう無理だってば！！」
Aは自分の身体を慌てて腕で隠そうとする。
「もう一回だけ…なるべく、負担かけないようにするから…ね…？」
その腕をどかせて押さえつけて、前髪をかき上げてニヤッと笑えば。
「う…」
黙るしかない、A。
…俺だって、Aの好きな俺、知ってるよ。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年9月17日 21時
