264.カルーアミルク ページ17
＜チャニョル＞
「…は？」
呆気に取られていると、ベッキョンはそのまま近づいてきて、俺の肩に手を置いた。
「まぁ、座れよ」
…なに。
どうした、ベッキョン。
いつもの飄々として生き生きと俺をいじめるベッキョンはどこに行った。
そう思いつつ…結構な力で肩を押さえつけられて座らされる。
「ジョンデ〜俺も酒飲む〜」
「ベッキョン…お前お酒飲めないだろー？」
「飲む！酔っても俺寝るタイプだから！！」
「運ぶのめんどくさいんだよ…」
「いいから！お金なら払う！！」
「…はぁ、ったく…」
ジョンデは呆れるように頷いた。
「先、チャニョルね。はい、どうぞ」
ジョンデのがコトンと目の前に置いてきたグラス…これって…
「これ…カイがよく飲んでたやつ…？」
「うん。ミントがたくさん入ってるから、スッキリするよ。なんか…モヤモヤしてそうな顔してるからさ！」
…さすがジョンデ。人の心読むの上手いな…。
「俺には？俺にはー！？」
「ベッキョン、大人しく待ってて」
「はーい！」
元気よく手をあげるベッキョン…いや、なんか、空元気って感じがするんだけど…。
「…で、何なの…俺に、何か用…？」
恐る恐る聞いてみると。
「んー…俺さ、ひとりなんだよね！」
ベッキョンは眩しい笑顔を俺に向けてくる。
…で？
「へ、へぇ…」
「…あれ、そんだけ？」
そんだけ？って…俺に何を求めてたんだよ。
「はい、ベッキョン」
「ん、なにこれ？」
「カルーアミルクだよ」
「おぉ、なんか聞いたことある！」
俺も、聞いたことある…甘くてあんまりアルコール度数も高くないんだよな。
「…で、どういう意味なの？」
ベッキョンはにっこりと笑ってジョンデを見る…
「カルーアミルクのカクテル言葉は、悪戯好き…それと、臆病だよ」
ジョンデはそう言って、ベッキョンににっこりと笑い返した。
…臆病？
悪戯好きっていうのは…なんかぽいけど。
ベッキョンは、物怖じしないイメージなんだけど…。
「あはは！ジョンデ、辛辣！」
「事実だろー？」
「…そーだよ」
ベッキョンは唇を尖らせて俯いた。
少し何かを考えた後…一気に、ベッキョンはカルーアミルクを飲み干した。
「ちょ、ベッキョン…一気飲みはまずいって…」
ジョンデは心配そうにベッキョンを見る。
そんなに時間も経たないうちに…ベッキョンの頬は赤くなってきた。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年9月17日 21時
