56.勇気づけてくれる存在 ページ7
＜ジョンイン＞
「ねぇ、あっぱ…ヌナ、いつまでおうちに居てくれるの…？」
「うーん…しばらくは、いるよ」
「ほんと！？」
「うん、居てくれるよ」
「やったぁ！！」
「ちょ、暴れるなよ…」
パシャパシャとお湯を跳ねて喜ぶセフン。
男2人でお風呂。裸の付き合いだ。
「ね、ねぇ、あっぱ…」
「ん、なんだ？」
「Aヌナ、僕のおんまに、ならないの…？」
言いづらそうにチラチラと俺を見上げるセフン…
欲しいよな、オンマ。
ずっと、言ってるもんな。
Aが、お前の、本物の…
「…なって、くれるかな、A…」
「あっぱ…」
セフンは少し俯いて、パッと顔を上げる。
「だいじょうぶでとぅよ！！あっぱかっこいいもん！！！」
「セフナ…」
いつも、俺に辛い思いをさせないように、そのパァッとした笑顔を、俺に向けてくれる。
お前は、本当に…Aに似て、人に迷惑をかけたくない、優しい子だな。
「そう、かな…」
「うん！ぜったい、あっぱならだいじょうぶでとぅ！」
何度、この子に救われたか分からない。
Aが居なくなって…たとえ、死にたいと思っても。
セフンがいたから…頑張って生きなきゃって。
たくさん、他の子たちとは違うって、思わせて。
辛い思いを、させて。
こんな父親としてダメダメな俺を、あっぱって、呼んでくれて。
俺を、勇気づけてくれる存在。
「…俺、頑張るよ」
Aと、セフンと、俺の3人で。
安心して、幸せに暮らせるように。
風呂から出ると。
「うわぁ…いいにおい！」
晩ご飯は終わったはずなのに…と思ってキッチンに行く。
「A…また料理、作ってんの？」
「2人とも…お風呂から出たんだね。あー…えっと…なんか、張り切っちゃって。下準備、夜のうちにしときたくて…」
「したじゅんび！？なにそれ…すごいねぇ、Aヌナ…」
「ふふっ、ヌナ頑張るからね！明日楽しみにしててね！」
「うん！」
よしよし、とセフンの頭を撫でるA…微笑ましい。
「よし、セフン。じゃあ明日に備えて早く寝ないとな」
「うん！…あ、僕、一人で寝れるからね！おとなはひみつのおはなしがあるんでしょー？」
ふふ、といたずらっぽく笑うセフン…こいつ…。
「おやすみーあっぱ、ヌナ！たのしみにしてまとぅねー！」
「おやすみ、セフンくん！」
「ははっ…おやすみ、セフナ」
.
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年9月8日 22時
