73.会いたいのかどうか ページ24
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晩ご飯を食べ終え、お風呂も入り、セフンを寝かしつけ…
やって来た、ジョンインと2人きりの時間。
「A」
私をぎゅっと抱き締めてくるジョンインを、抱き締め返す。
「なに？」
「…１つ、聞きたいことがあって」
「うん」
ジョンインは私の目を見る。
「1週間に1回、ベッキョンに会う気は…ある？」
1週間に1回、ベク、に…？
まるで…ジョンインが夫だと知らされる前みたい…その時は、逆で…ベッキョンが、週1回ジョンインに会って欲しい、と言った、けど…。
「どう、して…？」
そう聞くと…あの日のベッキョンのように、ジョンインは顔を歪める。
会って欲しく、なさそうだ…これも、あの日のベッキョンと、同じ…。
「ジョンインは、いいの…？」
「Aはどうしたいって、聞いてる」
「私、は…」
会って欲しくなさそあだけど、そんなことを聞くってことは…対価が、あるんだろう。
この家に来ない、とか、セフンに近づかない、とかかな…。
それ、なら。
「…わかった。会うよ」
「…違うだろ」
「え？」
ジョンインはぎゅっとまた私を抱き締めて。
耳元に、唇を寄せる。
「Aが、会いたいのか会いたくないのかを聞いてんの」
「え…」
「今の言い方…仕方ないって感じだった。そんな気持ちなら、俺は行かせたくない」
「ジョンイン…」
ジョンインは、本当に、優しくてかっこいい…
こんな素敵な旦那さんのことを、忘れていたなんて…。
尚更、迷惑はかけたくない。
だから、週1回ベッキョンに会うというのを、受け入れたい。
でも、ここでベッキョンに会いたい、と言うのは…ジョンインに、悪い気もする。
「…ごめん、俺は卑屈な野郎なんだ」
「え…？」
「Aが、会いたいって言いづらいように、してる」
「そんな…」
意図的にって、こと…？
「1度、ちゃんと会ってみると、いい。もちろん、いつでも助けに行けるようにする。それから、週1回にするか、決めよう。それでとりあえずベッキョンには妥協してもらおう」
妥協、なんて…やっぱり、私に週1回会わせる、というのは、何かの条件なんじゃないか。
「でも…今日も、来たのか」
「う、うん…あ」
「ん？」
今日来た時、ベッキョンが、見せて来た指輪…
私はパッと、ジョンインの左手を掴む。
その薬指には、きらりと光る…シンプルなシルバーの指輪が、はめてあった。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年9月8日 22時
