135.夢 ページ38
＜カイ＞
『カイ！遅いよ！」
『ごめん…待った？」
『うん、待った！ほら、はやく入って」
『お、お邪魔します…」
…夢か？
俺は、Aの家に入って…
『座って！」
『うん…」
Aは、明るくて、元気だ。
今の彼女は…きっと俺に、こんな眩しい笑顔は向けてくれない。
『はい、ココア！」
『ココア…入れたの？Aが？」
『粉入れてお湯注ぐだけでしょ？簡単簡単！」
『はは…そっか。いただきます…」
ココアを、一口…
『うげっ！しょっぱ！！なに！？」
『え…あ、砂糖と塩、間違えたかも…甘い方がいいかなって思って入れたんだけど…」
『もう…余計なことして…」
『ごめんなさい…」
『あ、いや…A、おいで」
俺が両手を広げると、Aは嬉しそうに飛び込んでくる。
不思議と…心は穏やかで。
まるで…Aと、想いが通じ合っていた頃のように…自分に、素直になれる。
『砂糖と塩間違えるなんて…ほんと、かわいいなぁ…」
『そ、そんな…」
俺の腕の中で顔を真っ赤にしたAが、俺の顔を見上げる。
『…かわいいよ、A」
ぎゅっと抱き締めると、ぬくもりが伝わってきて。
夢だと、分かっているのに。
すごく…幸せ。
『愛してる…愛してるんだ…A…」
『カイ…私も」
そっと、唇を重ねて…
柔らかくて、甘くて、優しくて。
あぁ…幸せ…
何度も何度も重ねた唇。
それが、ゆっくりと離れる。
『カイ…泣いてるの…？」
『え…？」
Aはその細くて白い指で、俺の頬に伝う涙を掬う。
『どうして、泣いてるの…？」
『…わから、ない…」
『ふふっ…泣いていいよ。強がらないで」
『A…」
このまま、夢の中にいたい。
君をずっと、腕の中に閉じ込めて。
俺のものに、したい。
『僕のものだよ』
スッと、腕の中にいたはずのAが、消える。
『A…？」
リビングをキョロキョロと見回す。
『どこに行ったの…？」
寝室に導かれるように、俺の足が向かう。
ガチャ、と開けると。
『ジョンイナ、愛してるよ…」
『僕もだよ、A…」
俺が、Aとベッドで抱き合っている。
Aは、幸せそうな顔をしている。
もう1人の、俺と…幸せ、そうに…
『カイ、Aを幸せにするのは僕だ。はやくその体を…僕にちょうだい』
.
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わー - 主はイーシンさんのこと知ってたから仕事を終わらせてっていったのか！ (2020年9月10日 1時) (
レス) id: 8649b30d20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年8月18日 19時
