ユウガオは夜に咲く 3 (ページ34)

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131.楽しむ上司ページ34

＜ジョンデ＞

「一気に…静かになったね」

ミンソギヒョンは戸惑うように微笑みつつ、椅子に座り直した。

「ヒョン…ごめんね、色々…」

「いやいや、ジョンデが謝ることじゃないよ！大丈夫！」

ミンソギヒョンは笑って焼酎を飲んだ。

「カイは…Aちゃんのこと、好きなんだよね？」

「うん。だけど、その伝え方が分かんないらしくて。不器用だから」

「そっか…やっぱり若い子たちの恋愛を見るのはおもしろいな」

「ヒョン…あんま歳変わんないでしょ」

「はは、そうだけど」

また一口、飲んで。

「楽しいよ、はたから見る分にはね」

ミンソギヒョンはそう言って笑う。

ヒョンは結構、人の関係性を楽しむタイプだからね。

「ジョンデ…チャニョルは、Aちゃんに惹かれてるらしい」

「はは…今はそれが一番楽しいの？」

「うん！…君が、チャニョルを俺の部署に推薦してほしいって言ったのは…それを見越してのことだったのかな？」

ジョンインといい感じになる前。

Aは、大して話したこともないはずのチャニョルにぞっこんで…よく俺に、チャニョルの話をしていた。

部署が違うのが残念で…なんとかならないかな、と思って。

『ミンソギヒョン、あの…耳と目が大きくて、高身長でイケメンな営業部の男、知りませんか？チャニョルっていうらしいんですけど』

『チャニョル…あぁ、なんかイケメンがいるって、女性社員がこぞって噂してるよ』

『その人…ヒョンの部署に異動、とかできないんですか？』

『え…どうして？』

『あー…えっと…楽しいことが、起きるかもしれません。ヒョンの好きな』

『へぇ…楽しいこと、か…俺は人事担当じゃないからな…まぁ打診はしてみるよ』

そのやりとりをしてしばらくして。

ようやくチャニョルが異動してきたのだ。

まぁ、もうとっくにAのチャニョルへの熱は冷めてたけど。

「まぁ…そんな感じですかね」

まさか、チャニョルの方がAに惚れるとは、思ってなかったな。

「ふぅん…チャニョルはAちゃんに惹かれてて…でも、Aちゃんの方は、どうなんだろう」

「それは…俺にも分かりませんよ」

「でも、今日チャニョルが早退したのを心配してるみたいだったよ」

「あぁ、さっきの…電話がどうのこうのってやつ？」

「うん。Aちゃんも、チャニョルのこと好きなのかなって思ったんだけど…Aちゃんの本命は、誰なの？」

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