ユウガオは夜に咲く 3 (ページ26)

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125.ルビーのリングページ26

＜ジョンデ＞

19時…そろそろ開店だな。

　カランカラン

「あ、A！！待ってたよー！」

「わっ！ベク…よしよし」

Aはいつものように抱き着くベッキョンをあやす。

「で！なんでチャニョルと一緒にいたの！？」

ベッキョンがそう言うと、カイはピクッと反応して動きを止める。

…こういうところがかわいいんだよなー、カイは。

「んー？ベクには関係ないよー。それより早く歌聞かせてよ。ベクの歌楽しみにして来たんだから！」

「そっかぁ～えへへ！俺Aのために歌うからね～！」

カイは、Aが誤魔化すつもりだと分かるとモヒートに口を付けた。

…気になるなら直接聞けばいいのに。

「そろそろ開店時間じゃないの、ジョンデヒョン」

「…うん。そうだね。カイもベッキョンの歌聞いてく？」

「…俺はいい」

カイはそう呟き、モヒートを置いたまま部屋に入っていった。

Aは、それを横目で見る。

「…ジョンデ、札、OPENに変えとくよ」

「うん、ありがとうAちゃん」

Aは少し出入り口のドアを開けて札を反対にすると、こちらのカウンターに近づいてきて座った。

チラリと、Aはカイの残したモヒートを見る。

底に沈んだルビーのリング。

「そのリング、Aちゃんに買ったんだって」

「…へぇ」

大して、興味は無さそうだな。

　カランカラン

「スホヒョン…と、あぁミンソギヒョン！いらっしゃい」

「やぁ、ジョンデ」

「久しぶりな気がするなぁ」

ミンソギヒョンはそう言いながら、Aの隣に座った。

「ミンソクさんこんばんは」

「はは、こんばんは、Aちゃん…あ、ギョンスにチャニョルの連絡先聞いてたみたいだけど、結局電話したの？」

「ちょ、ミンソクさ、」

「…何、A。チャニョルに、電話？」

Aはしまった、という顔をする。

「なんで電話したの！」

「いたっ！重っ！」

ベッキョンはAに後ろから思いっきり抱き着く。

「なんで！！！」

「痛いってば！」

「ちょ、ベッキョンやめろ！」

思いっきりAの耳たぶを噛むベッキョンを、スホヒョンが慌てて引き剥がす。

　カランカラン

一般客が入ってきて、俺とスホヒョンは目を合わせた。

「ベッキョン、今日はリサイタルだろ。Aに歌ってあげるんだろ。一般客もたくさん来るから抑えろ」

そう言うと、不服そうな顔をしながらベッキョンはマイクの前に立った。

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