ユウガオは夜に咲く 3 (ページ3)

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102.一側面ページ3

＜ジョンイン＞

バーに向かう、車の中。

…1番気になってたことを、聞いてみる。

「あ、あのさ、A…」

「ん、なに？」

「最近…隣のデスクの、チャニョルっていう人と、仲良くしてるんでしょ…？」

「まぁ…うん」

「ど、どうして？」

「んー…なんか、放っておけなくて」

「でも…セフンが、女たらしだって言ってた…」

「そんなの…人の一側面でしかないよ。その人の全体像を見ないと」

Aは、フクザツなことをよく考えてる。

「あんなにさ、1人でいる私のプライベートゾーンにズカズカ入り込んでくる人、初めてで…しかも反応も素直で…なんか楽しくなっちゃうの」

それって、A…

赤信号で、車を止め、Aを見る。

「好きなの？チャニョルのこと」

「ジョンイナ…そんな悲しそうな顔しないで。ジョンイナのことを、1番愛してるよ」

「…うん。そうだよね」

軽く、キスをする。

青信号になり、また車を走らせる。

「チャニョルは…僕と会えない間の、暇つぶしなの…？」

「うん。そんな感じかな」

「そっか…」

頑張って、カイを退けて…Aに、寂しい思いをさせないようにしなきゃ。

主張してるのに…カイは、僕を認めようとしない。

「着いたよ」

バーの近くの駐車場に着き、車を降りる。

「じゃあ、行こっか」

大きなリュックを背負い、Aの手を握った時。

『ここは…どこだ…？』

頭の中で、カイが、目を覚ました。

「ジョンイナ…？」

立ち止まって動こうとしない僕を、不思議そうにAが見つめる。

カイが…起きちゃったか…。

僕は、目を閉じる。

頭の中の、どこまで広がっているのか分からない、暗い世界。

唯一スポットライトが当たった場所にいる、僕。

暗いところで目を覚ました、カイ。

『どうなってる…？ここはどこだ…？』

『カイ、おはよう』

『…お前は、誰だ』

『僕は、君を知ってる』

『…俺は、知らない』

カイは、僕のことを見ないように、こちらに近寄ってくる。

『そこをどけよ』

『…どきたく、ないよ』

『どけよ！』

まったく…カイは暴力的なんだから。

その暴力で、何を得たっていうの？

僕は、暗い場所に移動し、静かに眠った。

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