322.変なノリ ページ25
＜カイ＞
「うん。データで送ると形跡が残るからね。セフンならそれを調べられる…優秀なイーシンくんなら避けそうだよ」
「…受け取った相手は、どうやら優秀じゃないみたいだけどね」
スホヒョンの言葉に、セフンが嫌味ったらしく言う。
「ボールペン…」
Aがチャニョルに、ベッキョニヒョンの前では見せるなって言ってた…
「でも、そんな大切なデータが入ったものを胸ポケットに入れるか？」
「…チャニョルは、何も知らなかったのかもしれない。それが、何かの拍子に見つけて…好奇心で送ってしまった、みたいな」
「何の根拠もない、ヌナの妄想ね」
「セフン、言い方気をつけろよな」
「まぁまぁベッキョン。Aのは、可能性の話だね。でも、いくら低い可能性でも、存在する限り確認していく方が吉だな。A、そのボールペン、調べられるか？」
「…やってみる」
「さっすがA！かっこいい！！」
ベッキョニヒョンはAに抱きつく…もはや信者だ。
「カイ、これ、新しいメールアドレス」
セフンはずっと操作していたタブレットを見せてくる。
「あぁ…ありがとう」
「今度からはもうちょっと気をつけなきゃね」
スホヒョンはそう言って立ち上がる。
「飲み物取ってくるけど、みんな何かいる？」
「いや、ヒョン、なら俺が行くよ」
「ううん、ついでだから大丈夫だよ、カイ」
立ち上がろうとした俺に、スホヒョンは微笑む…けど。
なんでそんな威圧的な顔なの。
「じゃあ俺ジントニックおかわりー」
「おいマンネ、ちょっとは気を使えよな。スホヒョン、俺ドンペリ〜」
「ベッキョン、ここホストじゃないから」
「私シャンパンタワ〜」
「姫からシャンパンタワー入りましたっ！」
「ありがとうございまーす」
「だからホストじゃないから…セフンまで乗るな…ってリーダーに突っ込ませるな！」
スホヒョン、そう言いながら楽しそうですけど。
…久しぶりだな、この感じ。
「ったく…カイは？」
「俺は水でいいよ」
「了解。持ってくるね」
スホヒョンはそう言って部屋を出て行った。
「カイ、ノリ悪〜」
「カイが乗れるわけないでしょ。乗るのはあの趣味の悪い赤いスポーツカーだけよ」
「お、A姫お上手！」
「あら、そう？もう一本シャンパン入れようかしら」
「ヌナ太っ腹〜」
…A、ベッキョニヒョン、セフン…永遠やってろ、その変なノリ。
ってかA、趣味悪いと思ってたのかよ、あのスポーツカー！！
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年10月17日 23時
