321.未読メール ページ24
＜カイ＞
「あぁ、そうだ。カイ、最近こっちの仕事用のメールボックス見てるか？」
「あ…」
スホヒョンに言われ…そんなこと、すっかり忘れていたことに気づく…忙しかったし。
カバンから、普段使ってない方のスマホを久しぶりに取り出す。
そして、メールボックスを開く、と…
大量の、未読メール。やば。
「さっきの電話で、全然返事が来ないってちょっと愚痴られちゃったからさ。こまめに見るようにしなよ」
「…すいません」
改めて、未読メールをチェックする。
新規の仕事依頼、謝礼金についての連絡…あれ。
1番上のメール…件名も、本文も空…？
なんだろ、これ。
「…どうしたの」
何も操作せずジーッと見ていたのを不思議に思ったのか、セフンがスマホを覗いてきた。
「なんのメールだろ、これ」
「真っ白だねー…でも、メールアドレスは普通…」
セフンに言われ、メールアドレスを見てみる…あれ。
「…この、1番最初の3文字…」
「pcy？」
「Park Chan-yeol…もしかして、パクチャニョル、なんじゃ…」
「は？」
俺の周りにみんなが集まってきて、スマホを覗く。
「…待って」
Aが自分のスマホを操作して…
「…ビンゴ。チャニョルのスマホ。個人の」
ずいっと見せてきたスマホの画面には、チャニョリヒョンの連絡先…アドレス、一緒だ。
「馬鹿じゃないの…大馬鹿！！」
ベッキョニヒョンが叫ぶ。
「捨てアドレスとかで送んないと危ないとか考えないのかなあの馬鹿！」
「まぁまぁベッキョン…普通捨てアドレスとか持ってないから」
スホヒョンはベッキョニヒョンを嗜めながら、考える仕草をする。
「…なんでチャニョルがカイのこっちのメルアド知ってんの。一部の限られた信用してる人にしか渡さないのに」
セフンはそう言いながら自分の椅子に戻ってタブレットを操作し始めた。
「信用できる人間なんてこの世にいるわけないじゃーん」
ベッキョニヒョンはドサッとソファに座る。
「それ、いつ送られてきた？」
スホヒョンに聞かれ、確認すると…
「…さっきだ」
「さっき、か…このアドレスは複雑な文字列だから、口頭で伝えたはずがない。何かメモで渡してるはずだし、それを見ながら打ち込んだはずだよ。今の時代、データで送った可能性もあるけど、」
「ボールペン…」
Aが、ボソッと呟く。
「チャンイーシンがチャニョルに遺したボールペン。何か、ありそう」
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年10月17日 23時
