300.また起きたら失態 ページ3
＜チャニョル＞
…あれ。
なんで…
「おはよ！チャニョル♡」
なんでぇぇぇ！？！？
隣には、一緒の布団に入っている女…例の、ファジー女(ジョンデのバーでファジーネーブルを飲んでいたことに由来する)…！？
あのジョンデのバーを知るきっかけになった人でもあるけど…
なんでいんの。
おはよ、って言ったってことは、朝！？
思い出せ、パクチャニョル。
昨日は…ベッキョンがうちの会社に入ってきて、大暴れのせいでなかなか仕事が進まず、久しぶりに残業して…
夜も遅いし次の日も仕事だからって言って、ギョンスと控えめに飲んで…
やばい、記憶無い。
「やだ、チャニョル〜また覚えてないの〜？」
うぅ、甘ったるい声に胃がむかむかする…
前の時と一緒じゃん…
ってことは！！！
時間を急いで見る。
8時…
「やっべ！！！」
急がないと！！えぇっと…何から…優先順位…
まずは服…いや、現在位置を調べて…よかった、会社からけっこう近い！けど、家に帰る余裕は無い！
じゃあまずはシャワー！！
「え、ちょ、チャニョル！？」
ファジー女に構ってる暇はない…ごめん！！
急いでシャワーを浴びて髪もタオルドライして…
くそ、着替えなんて持ってないよな…しょうがない、昨日のままで…！
「すごい…前と違ってテキパキしてるねぇ〜」
ファジー女が言う…
『1つ目。優先順位を意識していないこと。結構気が散りやすい性格のように見える。何を最初にやるべきか決めて、それだけに集中する』
Aに言われたことが、染み付いてるのかな…なんて。
そうだ、Aと出会ってから…女にだらしなかった俺は、変わったはず、だったのに。
「ねぇチャニョル、前はこんなの持ってなかったよね？」
ファジー女が、ベッドの上に放り投げられていたジャケットの胸ポケットからボールペンを取り出す…
「か、勝手に触るなよ！」
ネクタイを締めている途中で、取り返したくてもできない。
「あ、やっと喋ってくれたぁ！これ、そんなに大事なものなの〜？」
「大事だから！離して！」
「ふーん…」
「あ、ちょ！！」
ファジー女はボールペンのキャップを外す…
と、ヒラッと紙が落ち、ファジー女がそれを拾う。
「ん、何これ」
「ちょ、勝手に見るなって！！」
ネクタイを結び終え、彼女から取り返す…
それは、初めて見る紙だった。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年10月17日 23時
