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＜セフン＞
「…バラなんて貰わなくても、うちの屋上にはたくさんあるんですけど」
そう言うと、ジュンミョンさんはフッと笑った。
「そうだよね。でもさ…可愛がってる後輩に相談したら、真っ赤なバラの花束がいいんじゃないかって言われて」
ジュンミョンさんが可愛がってる後輩…。
「…パクチャニョルって人？」
「ははっ…さすがだね、セフンくん」
「…まぁね」
ジュンミョンさんはやけに気に入っていて…捜査一課に配属してもらえないか、上に掛け合ってるって噂を聞いたから、気になってはいた。
「チャニョルに、女性の誕生日には何をプレゼントしたらいいかって聞いたら、どうやら恋人のことだと思ったらしくて。『真っ赤なバラの花束で、真っ直ぐに愛を伝えるのが良いですよ！』だと」
ジュンミョンさんは思い出したのか、笑っている。
「真っ直ぐ、ね…」
俺の…嫌いなタイプみたいだな、そいつ。
「…俺の、希望だ、彼は」
ボソッとジュンミョンさんが言ったその意味を、その時は分からなかったから…特に深く聞いたりはしなかった。
「じゃあね、セフンくん。Aさんによろしく」
ジュンミョンさんは、軽く手を振って車に乗り込んで、帰って行った。
1人になって、真っ赤な薔薇の花束を見つめる。
女イコール恋人と繋げる、そんなら短絡的な考え方しかできない人間…。
俺は、近くのごみ捨て場を見つけて、そこに花束を投げ入れた。
「セフナ〜〜！？なにしてんだよ〜！！A寝ちゃったぞ〜〜！？」
玄関から出てきて俺を見つけたベッキョニヒョンが、静かな街中に響き渡りそうな程の大声で叫びながらこちらに近寄ってくる。
「も〜！A、初っ端から疲れてるみたいだったし…お前昨夜激しくしすぎたんじゃないの〜！？」
酔っ払った様子のベッキョニヒョンは、俺の肩を組みながら言う。
「A寝ちゃって暇なんだよ〜セフナ、一緒に飲も！そろそろ酔いもさめただろ！！」
「…さめないよ」
「ん？」
「冷めないよ」
……
湯気の立つ、真っ黒なコーヒー。
俺はそのカップに、口を付ける。
「入れたばっかりなのに…やけどするぞ」
目の前に座るチャニョルが言う。
「…いいよ。どうせ、冷めないから」
彼女が死んでも尚…熱を帯びて、胸にまとわりつく、感情。
最初で最後の、感覚。
これがきっと…愛、なんだ。
気まぐれスピンオフ『サイコの愛』 完
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ほのか(プロフ) - LUKEさんの作品本当に全部面白くて大好きで大ファンです！特に"リアリナに苦悶する"という作品今1番好きで読んでいます！LUKEさんのスペースでこれからも頑張って欲しいです！応援してます^o^ (2020年11月2日 18時) (
レス) id: 789f2e8cd4 (このIDを非表示/違反報告)
Sae(プロフ) - LUKEさんの作品を初めて読んだのですが雰囲気が私の好みにぴったりで次は秘密の園読みます！無理しない程度に頑張ってください！応援してます！ (2020年9月11日 16時) (レス) id: e410eaa37c (このIDを非表示/違反報告)
さとう(プロフ) - LUKEさん» 桔梗のお話も大好きです！更新は無理のない程度にしてくださいね…！ (2020年7月28日 3時) (レス) id: 7a2ecf4d8f (このIDを非表示/違反報告)
LUKE(プロフ) - さとうさん» ありがとうございます^ ^めちゃめちゃ嬉しいです…新作も連載中ですので、ぜひお楽しみください！ (2020年7月27日 12時) (レス) id: f79020f605 (このIDを非表示/違反報告)
LUKE(プロフ) - 美咲さん» 返信遅くなりました。ギョンスを殺した通り魔は、2年前にジュンミョンが取り逃して死んだので別人です！分かりづらくてすみません…。 (2020年7月27日 12時) (レス) id: f79020f605 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年7月19日 18時
