219.同じ、或いは不完全 ページ19
＜ジュンミョン＞
「…同じだ」
あの日と、同じだ。
Aさん…結局あなたは…ずっとギョンスさんしか、見てないんですね…。
「A！！！！！」
チャニョルの悲鳴。
…ごめんな、俺のせいだな。
ギョンスさんには…誰も勝てないのに。
俺は冷静だった。
むしろ、俺以外は冷静を失っていた。
真っ赤に染まったAさんを抱きしめて号泣するチャニョル。
膝から崩れ落ち、呆然とするベッキョン。
目の光を失い、生気を無くして立ち尽くすセフン。
「あの…ジュンミョンさん…これは一体…どういう状況でしょうか…」
恐る恐る、一緒にパトカーに乗ってきた女性の警官は俺に聞く。
…真っ直ぐな目だな。
「見れば分かるだろ。救急車呼べ」
「は、はい！」
急いでその警察官は電話をかけ、無線で何かを話していた。
俺はゆっくりAさんとジョンインに近づこうとする。
「…ミントの、ドレスが、無いよ」
セフンが呟く。
「赤く染まった、ミント色のドレスが落ちてたんでしょ、ジュンミョンさん」
…俺が捜査一課を退く前にセフンに見せた資料の中に、通り魔事件の調書もあったからな。
「あぁ。不完全だ。セフン、君は嫌いだろ」
「うん。俺は完璧主義だから」
「…後、追うなよ」
「…地獄まで俺に纏わり付かれるの、迷惑だろ。だから俺に黙って死んだんだろ」
「セフン…」
「…」
セフンは黙って俯いた。
「Aっ…なんで…どうして…」
チャニョルは相変わらず悲鳴に似た鳴き声を上げる。
「アイツは、2年は生かす。Aがそうしたように」
「…そうか。…そろそろ離れてくれないと。もうすぐ救急車が着くぞ」
「…薬、あるよ。チャニョル眠らせる時に使ったやつ」
ベッキョンはゆらりと立ち上がった。
「…使わせてもらうよ」
俺は車の中のベッキョンのカバンから”睡眠薬”と書かれた注射器を取り出し、チャニョルの元に行って打った。
チャニョルはすぐに大人しくなり、眠った。
改めて、Aさんの首元に指を当てる。
次にジョンイン。
ピーポーピーポー
救急車の音がした。
「救急隊です。状況は」
「死亡2名。この子は眠っているだけです」
「…病院で、確認します」
「お願いします」
誰も、救急車には乗ろうとしなかった。
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ほのか(プロフ) - LUKEさんの作品本当に全部面白くて大好きで大ファンです！特に"リアリナに苦悶する"という作品今1番好きで読んでいます！LUKEさんのスペースでこれからも頑張って欲しいです！応援してます^o^ (2020年11月2日 18時) (
レス) id: 789f2e8cd4 (このIDを非表示/違反報告)
Sae(プロフ) - LUKEさんの作品を初めて読んだのですが雰囲気が私の好みにぴったりで次は秘密の園読みます！無理しない程度に頑張ってください！応援してます！ (2020年9月11日 16時) (レス) id: e410eaa37c (このIDを非表示/違反報告)
さとう(プロフ) - LUKEさん» 桔梗のお話も大好きです！更新は無理のない程度にしてくださいね…！ (2020年7月28日 3時) (レス) id: 7a2ecf4d8f (このIDを非表示/違反報告)
LUKE(プロフ) - さとうさん» ありがとうございます^ ^めちゃめちゃ嬉しいです…新作も連載中ですので、ぜひお楽しみください！ (2020年7月27日 12時) (レス) id: f79020f605 (このIDを非表示/違反報告)
LUKE(プロフ) - 美咲さん» 返信遅くなりました。ギョンスを殺した通り魔は、2年前にジュンミョンが取り逃して死んだので別人です！分かりづらくてすみません…。 (2020年7月27日 12時) (レス) id: f79020f605 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年7月19日 18時
