148.お迎え ページ47
＜チャニョル＞
電話口でジョンインと番号を交換し、Aと一緒に家に帰らないとセフンに怪しまれるから、と言われ、ジョンインが迎えにくることになった。
「ごめんね、色々…」
「ううん、俺はAと一緒に居られれば、それで」
俺がそう言うと、Aは潤んだ目で見つめてくる。
や…やめて…心臓に悪いんだってば…！
「また…会ってくれる？」
「もちろんだよ！いつでも！」
「よかった…次はねードライブ行きたい」
「ドライブかぁ…なんかしたいことあるの？」
「チャニョルが運転する姿かっこよかったから…ずっと見てたいの」
そう言って伏し目がちに恥ずかしそうに微笑むA。
そっと、その瞼にキスをした…と。
「はぁ…恋は盲目ってよく言いますけど」
聞いたことのある声が上から降ってきた。
バッと急いで顔を上げると、ジョンインが仁王立ちしていた。
「じ、ジョンインくん…」
「近づいてくる俺に気づかないなんて…俺が殺人鬼だったらどうするんですか！？そんなんでヌナを守れるんですか！？あんた警察でしょ！？」
ジョンインが声を荒げて言うと。
「えっ…警察…？」
Aはポカンとした目で俺を見ている。
ジョンインくんも、しまった、という顔をしていた。
「どういうこと…？」
「…ヌナには俺から説明します。色々ややこしいので」
ジョンインくんの言う色々、というのが何かは分からないが、俺は必死に言い訳を考えていた。
Aは俺がギョンスさんの同僚だと思っている。
それが嘘だったなんてバレたらき、嫌われたり…。
ジョンインくんはAの手を取り、立ち上がらせた。
「あの、A、俺…！」
なんとか言い訳をしようと俺も立ち上がるが。
「チャニョルさん。俺が説明するって言ってますよね。余計なことしないでください」
ジョンインに冷たい目を向けられ、何も言えなくなった。
「じゃ、ヌナは連れて帰ります…ヌナ、こんなに買ったの」
俺の足元の紙袋を見てジョンインが言う。
「うん…ついつい買いすぎちゃって…」
Aがえへへ、と笑うと、ジョンインはため息をつきながら紙袋を拾い始めた。
「あっ、俺も持つよ。車？車まで運ぶよ」
「いいです。こんくらい持てます」
そう言ってジョンインは全ての袋を軽々と持っていた。
「あ、だめ！これはチャニョルにあげるの」
Aがその中から一つ…ネクタイの紙袋を取って、渡してくれる。
「今日はありがとう…またね」
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年7月14日 10時
