薔薇を刺す 3 (ページ42)

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143.二度目のデートページ42

＜チャニョル＞

Aとデートした次の日。

…どうしよう、もう会いたいんだけど…。

まだ謹慎は続く。やることもない。

電話くらい…声だけでも…

でも、そばにセフンやジョンインがいたら？

いや、そんなこと気にしていたら、何もできない！

勇気を出して、電話するか！

そう決心し、電話しようとしたその時。

“着信 A” の文字。

…あと3秒だった。負けたなぁ～…。

「もしもし、A？」

『も、もしもし、チャニョル、で、あってる？』

「うん、合ってるよ」

そうか、セフンに番号消されるから記憶から俺の番号探らなきゃいけないんだ。

『ごめん…今仕事中だったりした…？』

仕事…あ、そっか。今は平日の昼。Aはギョンスさんの同僚だと思ってんのか。

「ううん、今日は…えっと…有給とってて」

『えっ、ほんと！？』

Aの声のトーンが上がった。

「う、うん。今日、暇…だけど…」

『じゃあ…どっか行かない？』

Aの方から…デートのお誘いだって！？

「もちろん！行こう！すぐ準備するよ！」

ソファに寝っ転がっていた俺はすぐさま起き上がり、クローゼットに向かう。

「どこ行きたい？」

『うーん…普通に…ショッピングがしたい』

「ショッピングかぁ…いいね、行こう！」

『うん！』

「あ…セフンくんとジョンインくんは…大丈夫なの…？」

『あーえっと…セフンには黙って行く…けど、ジョンインはね！チャニョルと会ってもいいって！』

…なんだって？

わ、罠か…？

ジョンインくんが何を考えているのか、正直怖い。彼は…誰よりも強かな男だ。

「そっか…分かった。家まで、車で迎えに行く。着いたら連絡するから、すぐ出てきて！」

『わ、わかった！待ってるね！』

「うん！じゃ」

電話を切る。

ジョンインくん…何を考えているんだろう。

と、それよりも…

ショッピング、かぁ…Aと…

やば、ワクワクしてきた！

俺は一張羅を着て、車のキーを持った。

「あ…ちょっと、お金は多めに持って行こ…」

Aの金銭感覚、狂ってないかな…大丈夫かな…。

なんて思いつつ、車に向かった。

久しぶりに運転するな…気をつけないと。

家が近づき、信号待ちでAにメールをする。

メール、ちゃんと使い方分かるかな…。

“もう着くから玄関の前で待ってて”

すると、返信。

“りようかあ”

…了解って打ちたかったのかな、かわい！