118.集まりし3人 ページ17
＜チャニョル＞
ミンソクさんの家に着き、中に入れてもらって、リビングのソファに座りジュンミョンさんを待っていた。
…高級マンションの一室。
めっちゃ落ち着かない…。
ミンソクさんは、俺でも知ってるような一流企業の社長の息子さんらしい。
しかもその企業に就職してバリバリ功績を残しているとか。
チラッと見ると、表彰状なんかも飾ってある。
本当に凄い人なんだ…。
部屋は広いのに、ホコリひとつ落ちていない。ミンソクさん、綺麗好きなのかな。
そんな風に部屋を見回していると。
ピンポーン
「…来たか」
ミンソクさんがそう呟いてマンションのエントランスを解除する。
しばらくして、部屋のインターホンが鳴った。
俺は立ち上がって玄関に向かう。
「やぁミンソク、チャニョル！久しぶりだな！」
ジュンミョンさんはミンソクさんと握手し、俺の肩を叩いた。
「ジュンミョンさんも…お元気そうで」
ジュンミョンさんはスーツ姿だった。
「今日もお仕事だったんですか？」
「…あぁ。後処理に追われてるよ、バラの花束事件の」
「そうですか…お疲れ様です」
あれから…ジョンデが、亡くなってから。
捜査班は解散された。しかし後処理が色々残っているらしく、ジュンミョンさんは駆り出されていたようだ。
リビングで3人、ソファに座る。
もちろん、集まったのは…
「Aさんの話、だよな」
「うん」
「はい」
Aを、救うために集まった3人だ。
「Aさんが、チャニョルの記憶を無くした…か…」
事情を聞いたジュンミョンさんは悔しそうに呟いて、ミンソクさんが入れたコーヒーを飲む。
「はい、そうなんです。心当たり、あったりしませんか」
「心当たり…」
ジュンミョンさんは、何か、言いづらそうな顔をしている。
「ジュンミョンさん、あるんですね？」
「…ビョンベッキョン、って、知ってるか」
ベッキョン…ジュンミョンさんの口からその名前が出るとは。
「ベッキョン…俺の高校の同級生です。Aさんの家に行った時、一度会いました」
「そうだったのか…！」
ジュンミョンさんは驚いた顔をする。
「ちょくちょくあの家に出入りしてる化学者のこと？」
ミンソクさんも、なんとなく知っているようだ。
「あぁ。彼は、普通の研究員の皮を被っているが、実は天才的な頭脳の持ち主だ、と聞いたことがある」
ベッキョン…やっぱり。彼は、天才を隠しているんだ。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年7月14日 10時
