薔薇を刺す 3 (ページ15)

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116.噂の男ページ15

＜ミンソク＞

『どんな男なんだ？そのチャニョルってのは』

『ミンソクがよく、ギョンスさんの話をしてくれるだろ？同じだよ。真っ直ぐな男だ』

『ふーん…そうか。彼なら、Aを救える、と？』

『あぁ。ギョンスさんの代わりになれる』

『代わり…Aは、代わりが欲しいわけじゃないよ。今も昔も、あの人の心はギョンスのものだ』

『…うん、分かってるよ。でも、チャニョルと関わったら、Aさんは…何かに、気付けると思う』

『何か…って、何？』

『分からないけど…なんとなく、勘だよ。チャニョルも良いんだ、勘が』

そしてジュンミョンはチャニョルを自分の事件の担当にしたらしい。

…近くに置いておくため？ただそれだけ？

それに、ジュンミョンがセフンたちと繋がっているのは気付いてたけど…何をしているんだろう。

ジュンミョンに対してはそんな疑問もあったけど、とりあえず、チャニョルとAが接触することに成功したらしい。

しかも、どうやらうまくいってるようだ。Aが、チャニョルを気に入ったらしい。

『まぁ、ミンソクとチャニョルが会うことはないかもしれないけど…もし会ったら、チャニョルを助けてやってくれ』

ジュンミョンからチャニョルの話を聞くに、やはりギョンスと似ていて、面白そうな人だ、いつか会ってみたいな、と思っていた。

それが、偶然、ここで出会うなんて。

毎回Aは墓参りに俺と2人で行く。

ジョンインにはギョンスのことを思い出して辛い思いをしてほしくないし、セフンは霊なんて信じていないから、らしい。

毎回2人には秘密で行っていた。

今日はギョンスが亡くなってから丁度2年目。

例の如くAに呼ばれ、家に行ってみると。

長身の、私服を着た男が、何やら玄関でジョンインと言い合っていた。

しまった、ジョンインにバレてしまう、と思ったのも束の間。

ジュンミョンさん、という言葉がその長身の男から聞こえてきた。

まさか、この子が…？

「あのー…今、取り込み中かな？」

2人の会話が止まった所を狙って、話しかけることに成功した。

そして、確信した。

この子がジュンミョンの言っていた、パクチャニョル。Aを救える男…。

『勘だけだ、と思われるがそうじゃない。彼は頭の切れる男だよ』

ジュンミョンにそう言われていたから、ギョンスの同僚か、と俺が出した助け舟に乗ったのも、何か訳があるのだろうと思った。

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