105.教えてやるよ…(from YN) ページ11
《教えてやるよ…(from YN)》
YN｢あっ…｣
いつのまにかバスルームから出てきたAが…赤い顔で…ムスッとしながら…向かい側に座った…
｢川上さんは…？｣
YN｢あ…ちょっと席を外してもらった…｣
ふーん…と言いながら…Aは全然目を合わせてくれない…
怒ってる…よね…？
｢なんで…来たの…？｣
Aは…膝をぐっと抱えて…俯いた…
YN｢なんでって…｣
そんなの…お前が心配だからに決まってるだろ…？
一瞬…大きな声を出しそうになって…慌てて深呼吸をした…
｢大丈夫って…言ったのに…｣
何が大丈夫だよ…？
今だって…そんな泣きそうな顔してるじゃないか…
YN｢大丈夫じゃないんだろっ…！？｣
思わず…キツい言い方をしてしまってはっとする…
Aは…一瞬だけ俺を見ると…また俯いてしまった…
YN｢ごめん…来ない方がよかったか…？｣
自分で言って悲しくなった…Aは…｢そうだね…｣とボソッと呟いてキッチンに向かった…
そうだね…？って言った…？
｢明日も仕事なんでしょ…？本当に…大丈夫だから…もう帰って…｣
やかんを火に掛けて…俺に背中を向けて…そんなひどいことを言うAの声は…震えていた…
YN｢A…こっち向けよ…！｣
キッチンに立つAを…無理矢理…俺の方にむかせる…
ほら…全然…大丈夫じゃないじゃないか…
YN｢泣くなよ…だから来たんだよ、俺は！｣
きっと…Aは一人で…今日あった辛いことを…耐えようとしていたんだろ…？
｢大丈夫…だって…言ってる…のに…｣
涙で声をつまらせながら話す姿は…小さな女の子みたいだ…
｢ユノは…分かって…ない…｣
ぐすぐすと涙を堪えながら…Aは俺をじっと見つめてきた…
YN｢なんだよ…それ…｣
分かってないのは…Aだって同じだ…
｢私は…｣
Aは…苦しそうに俯いた…
分かってないよ…A…Aは…俺がどれだけお前を好きなのか分かってない…
YN｢…ちょっと黙りなよ…｣
何か言い掛けていたAの唇を塞いだ…
分からないなら…教えてやるよ…
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作者名：よーこ
| 作成日時：2010年11月16日 17時
