【KZ】君と付き合うまでの十秒間 part．翼 (ページ8)

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君と付き合うまであと　3秒ページ8

美門side

翌日、学校に行く途中であの女の子に会った。

いや、会った、というよりかは見かけた、の方が正しいかな。

俺が来た時には駅に入って行ったし…。

「あ、あのっ！」

え？

振り返ると、さっき駅へ入って行ったはずの女の子が居た。

美「どうしたの？」

？「あ、いや…ただ、何かよく会うから、君の事、知っておきたいなぁって。」

っ！？

いやいやいや、こんな子、いるっ？

少なくとも、俺が知っている中では、いない。

うーん、なんていうの？

天然？

いや、天然の度を超えてるよ…。

何か…面白いわ。

美「ん、分かった。じゃ、今日、空いてる？」

？「あっ、はい！空いてます！えっ…と、私は立花彩です。

中学2年生で、文芸部に所属しています。君は？」

わぁ…

文芸部に入ってるんだ…。

国語とか得意そ。

真面目なのかな？

美「俺は美門翼。同じく中2で、部活は…引っ越して来たばっかだからね…。」

彩「あっ、そういう事ですか！何か、急に見かける様になったから…って。時間！！」

俺も慌てて腕時計を見ると、

あ、完全に電車逃したな…

これより遅いのに乗っていくしかないか。

彩「もう遅刻だぁ…。」

あはは…そうだね…。

もうゆっくりで良いや。諦めよ。

美「もう諦めよ。」

俺がそう言うと、

彩「でも…一限目、数学だった気が…。」

数学？

なら上杉…は無理か。

まず女嫌いだし、基本人に教えないイメージあるし、

この子の事知らないし。

あ、イメージだからね、あくまでも。

なら…俺が教えたげればいいんじゃない？

美「ならさ…今度一緒に勉強しない？数学、教えるよ？」

俺がそう答えると、彼女は分かりやすく顔をパァァァァと輝かせた。

…分かりやすっ！

こんなんだったら、トランプとかでもすぐバレちゃうんじゃ…。

今は関係ないけど。

彩「本当ですか！？ありがとうございます！！」

そんなに感謝しなくてもいいし…

美「あ、ていうかさ、同い年だし、敬語は禁止ね。タメで話そ。」

彩「あっ、はい…じゃなくて、うんっ！」

可愛い…

無邪気に喜ぶとか…子供みたい。

美「ねぇ、彩って名前でしょ？だから、アーヤって呼んでもいい？」

彩「うん。良いよ。じゃあ、私は翼って呼ぶねっ！」

…無邪気だね。