A song for you…*3* (ページ5)

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No.85◇myuto side ページ5

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「…じゃあ、お邪魔虫は退散しよー！ね！」

海未ちゃんがそう言うと、A以外のメンツが全員部屋から出ていった。

…みんなすごいやさしいなあ。

俺がそんなことを考えてたら、Aが話し始めた。

「…あのさ、あいつに襲われそうになったとき、北山先生を呼んでくれたのは美勇人くんだったんでしょ？」

『…うん。俺、いくじなしで、助けを呼ぶことしかできなかった…。

…俺が教室に入る勇気を持ってれば、Aはあんな思いせずに済んだかもしれないのに…。』

…後悔してる。なんであのとき、すぐに助けに行けなかったんだろうって。
そんな俺にAはこう言ってくれた。

「美勇人くんのおかげで、私は ”襲われそうになった” で済んだんだよ。だから…、ありがとう。」

やっぱりAはAだなあ。
こんな俺にも、「ありがとう」って言ってくれて、絶対に人のことを責めないんだもん。
でも…、俺は…

『でも俺は、二年になってからも…、自分が傷つきたくない、止める勇気がない、そんな理由で最低なことした。謝って済むことじゃないけど…』

そこまで言うとAが、

「…確かにつらかった。本心じゃないって、美勇人くんはそんな人じゃないって信じてた。けど、ああやって言われるのはつらかったよ？でもね…

私はもう気にしてないのにずるずる引きずられるのが一番嫌なんだ。だからもう謝らないで。」

と、言った。

『…もう気にしてないってほんと？』

俺は気になったところを聞いてみた。そしたら、

「…留学して、たくさんの経験ができて、私は私らしくしてればいいんだって思えるようになって。そしたら悩んでたことがちっぽけに思えてきたんだ。
だから…、また仲良くしたいなって私は思ってる！」

と、Aは言ってくれた。

ほんとに強いなあ、Aは。

『…こんな俺でも仲良くしたいってAが思ってくれてるなら、そんなに嬉しいことはないよ。俺も…、また仲良くしたい！』

「 ”こんな俺” じゃないからね！みゅーとくん！」

『！！…ありがとう、A！』

そう言うと、「ふふっ」って笑ってくれたA。

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Aの「みゅーとくん」呼び、嬉しかったなあ～。