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「もう、嫌や。死にたい…」
志麻「頑張ってや!亜沙美らしくないで!」
センラ「せやで!うらたんは、きっと治るんやから!」
坂田「そうや!治るで!絶対に!」
「いーや、治らん。医者言ってたん聞こえたもん。俺が死ぬまでうらさんは、俺の事を思い出さない。一生そのままやて。」
島坂船「っ…!」
「せやから、もう俺なんて居る意味無いんよね…やから、もう、思い出さんくてもええから、死にたい。誰も止めんとってや…」
僕は、ほんとに止めて欲しくなかった。
だって、愛してる人が居ないんだから。
居ないのに生きてる意味なんてない。
うらさんが居なかったら、俺は多分死んでいた。
それを救いだしてくれたのはうらさんだった。
だから、
今度は、僕が助けるからね…!
そう心に誓った。
坂田「亜沙美っ!ほんまにやめてや…」
そう言って抱き付いてくる坂田。
「っ…」
坂田「やめてや、ほんまに…亜沙美には、うらさんだけなんやろうけど、亜沙美の事は忘れてても、亜沙美にはうらさんと過ごした記憶がちゃんと残っとるやろ?
それを、大切な記憶にしぃや。
せやから、死なんと、って…グスッ、ヒックッ」
「……」
志麻「亜沙美。もういい加減素直になりぃや。」
センラ「そーそー。自分の気持ちを隠し続けるのもね。」
「っ、わ、かっ、た…」
坂田「ほ、んま?」
「ほんたほんま。でも…」
センラ「でも?」
「否、何でもない。」
言えない。
実を言えば、
もう死ぬ準備が出来ていて、いつでも死ねる。
だから、ごめん、坂田。そのお願い守れへんわ…ごめん…恨むんなら、俺を恨んでええからな。
志麻「あ、さみ?」
「ん?どーした。」
志麻「大丈夫…?」
「ん。大丈夫。あんがと。」
志麻「う、うん…」
「ちょっと、外の空気吸ってくるわ。」
坂田「俺も行く!」
「坂田は、後で一緒に行こ?」
坂田「はーい…」
「じゃね。」
そう言って、屋上に行こうとした。そう、したのだ。だが、センラに止められてしまった。
「何。」
自分でも分かんないくらいひっっくい声が出た。すごいね、僕。
センラ「ホントに、空気吸うだけなん?」
「どう言う事?」
センラ「ホンマに死なんよね?亜沙美。」
「まぁね。」
センラ「分かった。絶対無事に帰って来てな。」
「ん。じゃね。」
最後に誰にも聞こえないように呟いた。
「また、会えればいいね。」
と。帰れたら良いな。そう思いながら屋上に向かった。
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びび - 初コメ失礼します!6ページ目のAfter the Rainの略称は、AftよりAtRの方が伝わりやすいかと思います!ただのアドバイスなので、このコメは消してくださっても構わないです! (2020年8月2日 8時) (レス) id: e7356117b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:A.S x他1人 | 作成日時:2019年11月4日 11時