in the DARK

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「下手だからね、」



ギターを見つめて動こうとしないのんに何度も釘をさす。
一旦勉強を止めてあたしはソファー、のんはカーペットの上で三角座り。



小学校5年生からやっていたギターは喘息が酷くなってやめた。
でも…この曲だけなら覚えてる。



〜♪



ビクッとのんの目が開いた。
聞き慣れない音にびっくりしたかな。



「〜♪ 見つからない答えの先 君の姿…」



ギターを触る度に歌っていた曲。
重苦しくて未練タラタラなのに、それでも綺麗な歌詞とメロディーに驚いた。



「〜♪ 無理矢理に笑った 君はそっと僕の手を握りしめ…」



弾き終えた時。



頭にスーッとのんの手が伸びてきて。
ゆっくりあたしの髪を撫でた。



まるで「よく出来たね」って、あたしがのんを褒める時みたいに。
目を真ん丸にさせて、撫でていた。



「ほら、さっきの続きやらないと」



ずっと髪に触れている手を退けて鉛筆を持たせる。
少し残念そうに見えたけど…気にしない笑



窓に人影があるのに気づきもしないで、不穏な空気が流れてるのも知らないで、あたしたちは笑ってた。

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