in the DARK

１… ページ1

喘息持ちのあたし。
うるさい都会ではなく、静かで自然溢れる土地に住む方がいいと医者に言われた。



……そのせいで。



一ヶ月だけとは言え、こんっなド田舎に来ちゃったじゃない！



目に広がるのは緑、緑、緑。
たまに薄の何ともいえない黄土色っぽいのとか。



コンビニはなくて山がある。
美容院はなくて森がある。
イオンモールはなくて草原がある。



……こんなとこで何しろって言うの。
友達もいないしネットも繋がらない。



「A、紫乃(しの)、駿(しゅん)挨拶行くわよ」


「一ヶ月だけなのに？」


「だからこそ行くの！そこのお菓子持って早く出て」



…バーロー。全部食ってやろうか。
あたしや弟妹(きょうだい)にはこんなの数えることしか買ってくれたことないのに。



ｳｰ…



「ん、？」



納屋の方から音がした。
でも、誰もいない。



気のせいかとその時は気にせずほっておいたんだ。

２…→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す