in the DARK

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コンコン、とあたしの部屋の窓が叩かれる音がした。



それはのんじゃなく、窓に映る人影。



のんも書いてた手を止めてバッとそっちを見る。
そしてあたしの顔と代わりばんこにチラチラと行ってもいいのか伺った。



「…はい」


「俺〜」



はぁ。
小さくのんに頭を横に振って何もしなくていいと心の中で伝える。



多分伝わってないけどね。



「どうぞ」



昨日挨拶しに行った時にいた、とってもムカつく奴。
どうやらそいつはあたしが気に入ったみたい。



金持ちなのと顔がいいのを鼻にかけて威張る典型的嫌なやつ。
この辺の土地はこの人のお父さんが所持してるらしい。



前島葵(まえじまあおい)っていうんだって。
初対面でご丁寧にフルネーム教えてもらったわ。



家行くねって言ったのは社交辞令じゃなかったんだ。



「わっ、誰こいつ」



お邪魔しますもなしにいきなりのんですか。
礼儀と常識がなってないようですねこの金持ち。



「男手がないと、片付きにくいでしょ？俺手伝うよ」



やめろ触るな〜…とは思っても言えず。
ニコニコしてスルー。



「よいしょっ、！…あれ。っしょ…」



……全然持ち上げられてないし笑
ダサ〜。



「あぁもう。そんなことよりAちゃん」



うわ、力ないからってセコい。
セコイヤチョコレート。



「…何ですか」


「俺と結婚しない？」



……歯折んぞ。

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