in the DARK

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午後。
伸びきったのんの髪を切ってやろうと、霧吹きとハサミを持って庭に出た。



「おいで！」



言葉はだいぶ分かるようで。
手招きしてやればすぐ飛んでくる。
そんな姿が従順で可愛い。



「ここ、座って」



大きい体に白い布をかけて、髪が服につかないように。
せっかくいい服着てるんだから汚すわけにいかない。



「ちょっと冷たいかもー」



霧吹きをシュッシュとかけると反応するのん。
動物の本能か冷たいのかは分からない。



「切るよ」



後ろの髪を気持ちいいほどジャキジャキ切る。
ちょっと頭軽くなるんじゃないかな。



だんだんのんの頭が傾いてくるのが分かる。
よく寝るなぁホントに笑



「A、」



お母さん。ちょっとよそいき？



「ん？」


「のんの服買いに行こうかと思って。あんた来る？」



ハサミの音が聞こえなくなったからか、傾いてた頭を戻してあたしを見つめるのん。



「のんも連れてっていい？」


「いいわよ」


「のん、行こう！」



白い布を巻いたまま走るのを慌てて止めて。
だいぶ短くなってかっこよくなった。



「靴履き替えておいで」



あ、靴ひもの結び方教えないと。

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