恋、始めまして『染谷勇次郎』

番外編~榊家の節分~　2 ページ39

.......









Aが突入してきた勢いで3人の喧嘩(？)は止まり




とんとん拍子で事は運び、いつの間にかAの母、瑠璃が鬼のお面を付けていた









瑠「はぁーい行くわよー！.....いーち」









楽しそうに瑠璃は30を数え始めてその瞬間俊敏な速さでその場を蹴った4人は色んな所へとてんでんばらばらに散った









説明しよう、榊家の節分はちょっと特殊で、鬼以外の全員は何処かへ隠れて鬼に見つからずリビングにある升にタッチすると鬼の負け。というルール





しかし、これでは鬼が圧倒的に不利なので豆は鬼が持つことになっており、鬼の投げる豆に当たってしまった人はそこでおしまい。まあ缶蹴りのルールを想像してくれれば簡単である









2階に行ったAはクローゼットに隠れた





そこで息を殺して身を縮める









恐らくもう30秒たったであろう。ふー、と気を抜いていると操の悲鳴と母親の「そーっれ！」という声が聞こえてきた









......ああ操.....殺られてしまったのね.....









助けに行かないとだけど、何せ母は本気だ









ごくり、と生唾を飲むと急にクローゼットが開けられて視界が明るくなった









貴「っっ！！！.....」









やばい！お母さんだ！！殺られる....！！！






ぎゅ、と目を閉じて顔を庇っても、いつまでもお母さんのあの高笑いは聞こえてこない









貴「.........？.......ゆ、ゆうじろ！？......ぅん！」





勇「し。見つかる」









よ、良かった....お母さんじゃなかった.....







安心するのも束の間、勇次郎は躊躇せずクローゼットの中に入ってくると私を足の間に閉じ込めて頭を抱いた









..........っえ









ええええええ！？！？









ちょ！！ちょ！！なんですかこの状況！！！！









勇次郎の心拍数はやああい！！！そして私もだバカヤロー！！！！




や.....やばいよ鼻血出るよ........あ









ふるふると震える手で勇次郎の服を掴んだ









貴「ゆ....ゆう.....じ...ろ」









ああ.....ドキドキでまともな声が出ない.....喉よ、仕事をしなさい....









勇次郎はあまり見えないけど多分私を見下ろしていると思う






そして、口を開いた









勇「なに、もしかして.....誘ってる？」

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