さんじゅーさん ページ34
.......え
今まではちゃんとかかっていた筈なのに
番号を、変えた?
だったら伝えてくれればいいのに
何かの間違いだろうと生半可な気持ちでいると『柴崎愛蔵』という名前をとらえる
ちょうどいいや、Aのこと聞こう
そいつに電話をかけると数回のコール音を経て「.....何だよ?」と不機嫌な声が返ってくる
勇「Aがさ、電話かけても繋がらないんだよね。何か知らない?」
そう告げると「は?」という低い声が聞こえた
イラつくけど、我慢我慢
勇「なに?何か知って_____」
.
.
愛「Aなら......2か月前...」
.
_____は?
一瞬背中に冷たいものが走る
勇「何。ふざけてるわけ?」
こんな状況でそんな冗談は笑えない
思わず立ち上がった
愛「だってお前あんなに泣いてたのに.......大丈夫かよ?」
微かに唇や腕が痙攣を起こし始めた
その衝撃でスマホが手から滑り落ちる
_____ガラン
スピーカー越しに聞こえた落下音に違和感を覚えたのか愛蔵が「おい?」と返してくる
そんな声さえも、よく鼓膜に反響しない
勇「どういう.....」
頭がよく追い付かない
考えれば考える程呼吸が浅くなる
立っているのさえ辛くなって床に膝をつく
ヒュ、と小さい息の塊が喉を出ていった
それって、つまりAは____
勇「居な....い?」
じわじわと目の奥が熱くなってついに涙となって現れる
_____Aなら2ヶ月前に事故で、もう.......死んだだろ?
愛蔵の言葉が頭にこびりついて離れてくれない
勇「.....っ、.....はぁっ...はっ....」
スピーカーから「おい、おい!」と呼び掛ける声がする
だけど、そんなの右から左へとすり抜けていくだけで効果はない
どうして
____どうして?
そんなの何も分からない
だって、だってさっきまでAは__
.
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作者名:ソーダ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年3月26日 16時