じゅーよん ページ15
貴方side
送るから
愛蔵にそう言われて二人並んで家に向かう道を歩く
沈黙が少し頭を覗かせたこの空気に。
終符止を打ったのは愛蔵だった
愛「......そういえば、どーだったんだ？.....夫婦ごっこ」
お兄さんにそっくりの微笑みを見せてくれた彼
貴「ん？ああ、楽しかったよー。勇次郎の生活感が見られましたな！」
それで.....と昨日のことを語ろうとするといきなり愛蔵はムッとした顔をする
なんだね
愛「やっぱ言うな。カレカノのノロケなんか聞きたくねーわ」
貴「え、ちょっとそんなことってある？愛蔵でしょうがよ！聞いたのは！」
愛「.............俺、諦めてないからな」
静かな声で、ぽつりと言った愛蔵
え？と聞こうとすると回りを確認した彼が私を腕の中に閉じ込める
一瞬、神経回路が遅くなったような気分に見舞われて。遅れてハッと状況を理解する
耳には愛蔵の呼吸音しか響かなくて
振り払おうと腕に力をこめようとするも、彼は小刻みに震えていたのだ
そう理解してしまうと、スルッと腕から力が抜けていく
貴「愛蔵......？」
こんな彼は初めてだ
だから、大分対応に困った
愛「.......まだ.....諦めてないから..........お前のこと」
貴「.........え..」
ギュッと更に力を込められていよいよ抜け出せなくなり、慌てる
貴「.......っ..」
でも、そう言われても
ほんとに嬉しい.....気持ちはすごく嬉しい
こんなにがさつで可愛い気のない私を好きだって言ってくれるのは、すごく嬉しい
でも
貴「わ、たし......ごめんね.....」
両目からぽと、と落ちた滴
それを見た愛蔵は私に頭をトン、と合わせた
それで、なんでお前が泣くんだよ。って笑ってくれる
愛「諦めないって......言っただろ？ごめんな」
彼は腕の力を緩めた
だらん、と落ちていく腕
愛蔵は笑っているけど、瞳は涙で揺れていた
きゅう....と胸が苦しくなって
思わず服の裾を握った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆい - 評価つけました！ところで「操」って読み方は”そう”か“みさお”のどっちですか？w (2018年12月1日 17時) (
レス) id: f8db7797b8 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - 凛さん» いやあ、あれに勝るイケメンってもうないと思います(笑)でもそう思って頂けたのなら光栄です(´フ`)ゝ (2018年5月16日 22時) (レス) id: 995cf675ed (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 私も「恋をしよう」聞きましたけど、すごいイケメンでイケボでしたよねー！ソーダさんの作品も負けないくらいイケメンです (2018年5月16日 21時) (レス) id: 9ba27b7b63 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - 凛さん» いやあ....凛さんすみません。お詫び申し上げます(_ _)ﾍﾟｺﾘ (2018年5月16日 0時) (レス) id: 995cf675ed (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - まきびしさん» ありがとうございます。まきびしさん！！いやぁ.....そんなことないですから....全部私の願望ですし。.......でも『恋をしよう』がイケメンでした！！！ (2018年5月16日 0時) (レス) id: 995cf675ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソーダ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月26日 16時
