恋、始めまして『染谷勇次郎』

わん ページ2

「A、結婚しない？」









.......






ｶﾞﾗｶﾞﾗ、ﾊﾞｻ、ﾎﾞﾄ





落下音が昼休みの教室に響いた




目が点になる私







時は昼休み。何時ものように勇次郎と私の机をくっつけて4人でお弁当を食べていると



自然に、ほんとに普通に勇次郎が上記の台詞を言った。自然すぎて一瞬反応が遅れた






今でも整理しきれない頭を整えるべく、頭をかしげて聞き返す









貴「んーとさ、ごめんもっかい言ってくれる？」




勇「いいよ分かった、僕と結婚しない？」




貴「ぐはあああ！！？」








や....やっぱり結婚....結婚って言ったよこの人！！



椅子のはしっこに最大限寄ってサーカスやってる心臓を押さえきるべく胸をぐっ、と押した









愛「おいおいどーゆうことだ。お前、頭でも打ったか？いや絶対打っただろ」





愛蔵が少し青ざめた顔で勇次郎を指差した。一方勇次郎はいつものケロッとした顔で





勇「打ってないけど
知らないの？『夫婦ごっこ』ってやつ」






夫婦ごっこ.....だと！？



それを勧誘しようとあんな大胆な発言を！？私、お母さんにいつどうやって言おうかとか頭の中で考えてたよ！！？









愛/操「「知るかボケぇ！！」」




目が釣り上がっている操をクールに無視した勇次郎は私の方を見る









勇「ね、いいでしょ？」



貴「いや全然いいよ......でもどんなことするの？それって」





勇次郎はえっと...と言いながら少し上を向いた








勇「一日だけ夫婦になって、夫婦っぽいことする。ね、簡単でしょ」




貴「そうかぁ.....いいよ？」









愛/操「「は」」






さっきから息ぴったりだねえ、君たち



二人を見ながら水筒を取り出した









勇「社長から聞いたの、これ。結構楽しいらしいよ？」



貴「わーお、ナイスだ彼方さん」



操「あんのクソ親父......！！.......」









皆様、お忘れだと思いますので説明しましょう





彼方さん、とはLIP×LIPの所属している事務所の社長


そして操のお父さんでもある神出鬼没の人









貴「それならうちでしよ！今お母さんたち居ないんだー。ゲームしよう！！」



勇「いいよ、じゃあ明日ね」





愛/操「「待て待て待て！！」」

とぅー→←プロローグ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す