キミとピアノに惹かれて【斉藤壮馬】 (ページ16)

今日:3 hit、昨日:21 hit、合計:16,628 hit

13 ページ16

壮馬くんとの以外な出会いを思い出した翌日。

──────事件は起きた。

朝、壮馬くんから電話が掛かってきた。

壮馬くんはいつもより低い声で言った。

「紡祈ちゃん。テレビ見て」

「う、うん？」

壮馬くんに言われるがまま、テレビをつける。

すると、そこに映ってたのは────────。

"声優の斉藤壮馬と雅楽川家の令嬢、雅楽川紡祈、交際か！？"

.

.

.

･････最悪。

私が1番に思った言葉はこれだった。

勿論、壮馬くんとの交際の噂もだけど、それ以上に
"雅楽川家の令嬢"と書かれていたことの方が最悪だった。

「紡祈ちゃん。雅楽川家の令嬢って本当？」

････やっぱり言われた。

「･････うん。隠しててごめん」

「家のこと教えてくれる？」

「･････雅楽川家は、日本三大財閥のひとつで、私はその家の長女。兄さんが家を引き継ぐから私は関係ないんだけど」

「そして、私は家から逃げるために声優になった」