ROUND 229 ページ48
「……」
切羽詰まるように考え込む
と言うより
ただ黙り込んだベクの横で
撮影の事を少し思い返した
最初は台本も演技も不安で仕方なかった
でも、そんな事より
ベクとテヒョンの関係がぎくしゃくしてた事の方が
私の中では苦しくて
あの時は、こんな風にベクとテヒョンと
普通に話が出来るようになるなんて
想像も出来なかった
ベクとのー
EXOとの関係も
SMに所属していた事も
今はもう誰にも隠さなくても良くなったし
それはみんな
ベクや防弾少年団様のおかげでー
このドラマのおかげで……
苦しかったり、嫌な気持ちだったりした記憶は
一つの区切りで無くなって
今は寂しいって思いが込み上げる
ベクとの、この時間も無くなるんだ……
同じ事務所の防弾少年団様でさえ
会える機会だってそう無いのに……
「あのさ」
ゆっくりと息を吐き出したベクが
減っていく液晶画面を見上げれば
その横顔を見つめた
「現実にしちゃえばいいんだよ、あの記事」
「え？」
「そしたら寂しくないだろ？」
それってどういう意味……？
記事って、あの熱愛の記事の事……？
ベクの言葉を理解すれば
一気に熱くなった顔
「な……っ……はぁ？」
ベクと目線が合えば
どきっと音が聞こえるくらい痛んだ胸……
「オレの事、キライ？」
ベクさん……
冗談が過ぎますよ……
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作者名：LINK | 作成日時：2018年6月9日 23時
