ROUND 216 ページ35
「……」
「……ドラマの共演者？(笑)」
一瞬の間があってからテヒョンが笑った
「いやぁ、ほんとドラマの影響って怖いよなぁ(笑)」
同調するように笑ったベクに
「えー？
ドラマの影響だけじゃないんじゃないんですかぁ？」
食い付き気味なソジンさんの言葉に
ざわっとしだす客席
「え？」
「ご飯とか行ってるのは事実ですよねぇ？
何度か撮影の後にAさんと一緒にいたしぃー
なんか、“特別”仲良く見えましたけどぉー……」
「うそ……」
誘われたのは事実だけど
1度だって行ってないのに……
「それ、オレじゃないよね？」
「じゃ、仲良くないんですかぁ？」
誤魔化そうとするベクに食い下がるソジンさん
まさかの共演者からの爆弾発言に
しんと静まり返った会場
というより
ざわついたままなのかも知れない
だけど、私の耳には何も入らない
話しているはずのソジンさんの声は遠ざかって
口をパクつかせてる人形のようにさえ見える
何を言ってるの……？
マイクを取られた私はただ突っ立ってるだけ
向かい合うように立つベクとテヒョンと
ただ目をあわせたまま
ライトを受ける私達以外
無に感じるくらい
時間が駒送りのような錯覚を起こす
「みーんな知りたがってると思いますけどぉー？
ベッキョンさんとAさんの関係」
ソジンさんから投げ掛けられた言葉に
呆れたように天を仰いだベク
“ごめん”
しかめた表情のベクの
歪んだ笑顔がそう呟いた
「ベク、待って……」
「Aは……特別
それは変わらない」
会場に響いたベクの声
でも
ベクの見つめる目は会場に向けられる訳じゃなく
ソジンさんでもなく
じっと私を見つめたまま
息を呑むように
会場が静かになる
「もともとは俺達の後輩
今は違う形になったけど
大事な後輩に代わりはないんだ
……だから
大切にしてもらわなきゃ困る」
ベクの目線が
今度はテヒョンに移った
背後の大画面には
席からステージを見つめるexoの皆様と
防弾少年団様が映し出された
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作者名：LINK | 作成日時：2018年6月9日 23時
