ROUND 215 ページ34
生放送も中盤に差し掛かって
もうすぐTea.のステージが始まるはずだったのに
「Aさん、こっちです！」
走るスタッフの後をバタバタと追う
私達の前のステージが始まって
中央ステージの横に向かう用意をしていたら
このタイミングで
順番の変更があった
Tea.のステージ後だったはずの3人でのMCが
私達のステージ前に変わった
衣装のまま、慌ててマイクと進行表を受けとった
上がる息を落ち着ければ
ベクとテヒョンがステージに向かう
変に緊張する……
昨日、ベクに取り上げられた進行表は
すぐに読み解けるようなものじゃなくてー
ベクとテヒョンが
Aは黙って頷いてればいい
そう言ってくれたけど……
こんな状態で失敗なんか出来ないのにっ
会場に小さく鳴っていた音楽が鳴り止めば
ざわざわとしたファン達の声をダイレクトに感じる
始まった時と同じように消えていく
exoのペンラが見えると
自然とステージの立ち位置テープに目線が下がった
「みなさん、盛り上がってますか？」
「ステキなステージにー」
ベクとテヒョンの進行が始まると
ぽんっと背中を軽く触ったテヒョンの手
ハッと思い直して
なんとか前を向いて笑顔を保てば
背後からの気配に、一瞬振り向いた
っと同時に
「ちょっと貸してくださいっ」
手に持っていたマイクが無理に引っ張られて
勢い余ってよろければ
ベクとテヒョンと向かい合うように
ドラマで親友だった“あのアイドルの子”
ソジンさんが
私に背を向けて立ってた
「え……」
ヘッドセットのマイクが、まだONになっていなくて
私の声は消え失せるほど小さい
「私、ベッキョンさんに聞きたいことがあるんですぅー」
目の前のベクとテヒョンが目を合わせれば
視線はソジンさんへと向かってー
「ベッキョンさんとAさんって……
どういう関係なんですかぁ？」
一瞬、時が止まったみたいだった
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作者名：LINK | 作成日時：2018年6月9日 23時
