ROUND 213 ページ32
オープニングが始まって
私達の名前が呼ばれれば
案の定
白く光るペンラはパラパラと会場から消えた
「ごめんね」
ステージに向かい、階段を降りながら呟いた言葉は
みんなに聞こえたか分からなかった
テヒやエリナやアナンには
何も関係ないのに
目の前の消えた光に
やっぱり疎外感を感じる
それが私のせいなら尚更
この現実が、私だけに見えればいいのに……
トンっと寄り添うように当たった肩
うつむいた顔をあげれば
「見えない？」
小さく聞こえた優しいテヒの声
真っ直ぐに顔を向ければ
微かに見える薄い紫と
いくつもの丸い白いペンライトが揺れて
ぎゅっとテヒが私の手を繋いだ
「大丈夫」
そうテヒが笑えば
小さく頷いた
私達には
少ないかもしれないけど
応援してくれるファンがいてくれる
防弾少年団様の後輩だからって
味方になってくれるarmyのみんなもいるんだ……
その人達の為にも
私は全力を尽くせばいいんだ
ふぅっと息を吐き出して
テヒの手を握り返せば
「きゃー！！！」
SMの皆様の登場に会場が揺れて
バックステージのスクリーンに映し出された映像に
青ざめた
楽屋で売り切れたあのペンラは
SMの皆様の手に渡っていてー
皆様の衣装に
あのペンライトがアクセサリーみたいにぶら下がる
真横に立つNCTの皆様も
手に持って振ってみたり……
もちろん
防弾少年団様の手にも同じペンライトが光ってー
正直、生きた心地がしなかった……
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作者名：LINK | 作成日時：2018年6月9日 23時
