ROUND 208 ページ27
「やばい、韓国語でも伝わってないかも……」
『ユウタ、頑張って』
落ち込んだユウタさんを
笑顔で応援するテヨンさん
「いや、伝わってます……」
どんだけ私は言葉が分からない設定なのさ……
「良かったね、ユタ」
『うん、ほんと良かった……』
入り交じる言葉と
マイペースで独特な雰囲気
本当に安心したような
ユウタさんの脱力感満載な座り方
「Aさんが
SMの練習生だった時の話は、先輩方からたくさん聞いてます」
「え、」
テヨンさんが嬉しそうに笑えば
『Aさんがいてくれたから
俺は特別扱いされなかったんです(笑)
いろんな意味で感謝しています』
そう笑ったユウタさん
ユウタさんのその言葉に
昔の記憶が甦った
“日本人だからって特別扱いしないからな”
みんなが頻りに言ってた言葉
最初は、その意味が分からなかったけど
あの時は、回りの練習生と同じ位置にいれた事が
嬉しかったっけ
突き放すように言われた言葉だったけど
今考えたら
十分すぎるくらい特別扱いしてくれてたんだって思う
「そうですか……」
ふんわりと感じた昔のくすぐったいような記憶に
ステージに立つSUPER JUNIORの皆様を見て
懐かしさに顔が綻んだ
「本当は
もっと早くAさんと話したかったんです」
ユウタさんの申し訳なさそうな声に顔を向ければ
うつむいたまま考え込んだようなユウタさん
「でも、どんな風に話したらいいのか……
どんな風に切り出したらいいのか分からなくて
俺達だけ凄く遠い気がして……」
ユウタさんの目線が上がって目が合えば
私が避けた事が
私に避けられてた事が
お互いの思いが垣間見えた気がして
「っ……」
「……」
こんな時
どんな風に言えばいいんだろう……
羨ましかったから
そう、素直にユウタさんに言えばいいんだろうか……
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作者名：LINK | 作成日時：2018年6月9日 23時
