vs 防弾少年団。⑤ (ページ26)

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ROUND　207 ページ26

　
　

久しぶりに聞いた日本語

ざわざわと鳥肌が立つ

『前に1度、挨拶しましたよね？』

ちょっと訛りのある標準語

横で緊張したユウタさんの顔が伺うように笑った

『はい……』

ユウタさんの隣にテヨンさんも座って

遠目に立つ127の皆様の姿も見えた

NCT127の皆様とは、同期

カムバは1度しか被らなかったけど

その時に挨拶だけはしていた

その時も

テヒ達が、ちょっと話したくらいで

私はずっと目を合わせないように

気配を消してやり過ごしたんだと思った

ドキドキと緊張する気持ちと

逃げ出したくなるような劣等感

『1度、ちゃんと話してみたかったんです

Aさんと』

ユウタさんの手に握られた紫色のペンライト

「なんでっ……まさかベク……」

自分が持つ同じペンラを見つめれば

『……ぷっ、今の顔……』

「ユタ、」

制止をするようなテヨンさんの声

そんな笑っちゃうくらい変な顔してたかな……

『ごめんなさい

あんまりにも見たことない表情だったからつい……』

『どういう意味でしょうか？』

『いや……』

『……？』

『その……』

ユウタさんとの距離がつかめない……

『そんな不細工な顔してましたか……』

『ち、違います！誤解しないでくださいっ！

そんな意味じゃなくて……

あぁ……っ』

小さく溜め息が漏れて

しっかりとユウタさんが向き合う

「日本語、難しいんで……こっちで話しますけど

Aさんの、その、そういう雰囲気？と言うか……」

身ぶり手振りのユウタさんがあたふたすれば

「砕けた？」

「そ！砕けた！雰囲気を見たこと無かったから」

テヨンさんの助け船に

自分の言いたい事が言えたのか

安堵の表情のユウタさん

「そう……ですか……？」

日本語が難しい？

砕けた雰囲気？

今まで出会って来た先輩達とは違う感覚に

ただ、戸惑うことしか出来なかった

　
　
　