ROUND 204 ページ23
こんな話をしたって
自分の不甲斐なさを実感するだけで
聞いてくれたテヒョンが嫌な気分になるだけなのに……
後ろばっかり見たって仕方ない
私は、今はBIGHITにいるんだから
そう何度思ってきたっけ
私はなんて女々しいんだろうー
「ごめん、今のは忘れて」
そう笑えば
「そんな簡単に追い付けるわけないじゃん
Aは、まだ始まったばっかなんだよ？
それとも、オレ達は
そんな簡単に追い付けそうに見えるの？(笑)」
そうテヒョンが笑うから
「ううん」
慌てて首を横に振った
「それに」
テヒョンが椅子から立ち上がって
私の前にしゃがみこんだ
「追い付かなくていいよ
Aは、オレ達を後ろから見てればいい
そんなに速いスピードで追い付かないで
オレ達に、ちゃんと先輩やらせてよ」
にっこり笑ったテヒョン
「出来ない事があったって
迷惑かけたって、心配だろうが不安だろうが
そんなん、束にして全部ひっくるめたって
オレ達は気にしないよ？
うまく出来ないことも
誰かに嫌われるのがイヤなことも
誰かを羨むことも
誰にだってあるんだ……
それは間違いなんかじゃない
それに！
Aは、オレ達の後輩で
きっと誰かが羨ましいって思ってるっ
Aに憧れてる日本人だってたくさんいるよ」
テヒョンの言葉に
頭を敷き詰めてた事が
紐を解いたみたいに1つ1つ消えていくのがわかる
「オレ達が先輩で良かったって
BIGHITで良かったって
いつか言わせてあげるから
だからー
Aは、オレ達だけを見ていて……」
一瞬、目線の逸れた
テヒョンの寂しそうな笑顔にー
私の中の考えや思いが原因で
防弾少年団様達を不安にさせていたのかも知れない
そう思った
けどー
「いい？分かった？」
もう、いつもと変わらない笑顔のテヒョンの
念を押すような言葉に
「うん」
そう笑顔で頷いた
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作者名：LINK | 作成日時：2018年6月9日 23時
