vs 防弾少年団。⑤ (ページ21)

今日:11 hit、昨日:31 hit、合計:149,207 hit

ROUND　202 ページ21

　
　

通路の端っこに設置されてた休憩用の椅子に

壁を背に座り込んで

ただ、目の前の暗い壁を見つめてた

色んな事がありすぎて

回転しない頭

1つの事が、何重にも重なって

処理しきれなかった物が集まって

いつの間にか山になる

ちょっと前まで

そんなのは普通で

すぐに無かった事にも出来たはずなのに

「ん、」

目の前にペットボトルがぶら下がった

「ありがとう……」

愛想の無い声が出たけど

まだ、さっきのテヒョンとの事に

気持ちが落ち着かなかった

怒ってしまった私と

怒ってたテヒョン

ちょっとばつが悪い

横に座ったテヒョンが

同じように壁に背をつけた

「ごめんね……」

怒らせてしまった事に

ただ、謝る事しか出来ない

「……」

この沈黙が長く続けばいいのに

このまま、時間が止まれば

きっとゆっくり頭を整理する事だって出来るはず

「このまま、黙ってればいい？」

ゆっくりとしたテヒョンの言葉は

私の頭の中を覗いたみたいに

希望通りの言葉でー

怒ってた声でも

不機嫌な声でも無かった

「それとも、何か話した方がいい？」

テヒョンの声が

いつもみたいに明るく笑ってー

望み通りの言葉なんかより

「何かって？」

テヒョンの優しさに

ちょっとだけ甘えたくなった

「そうだなぁ……最近、面白かった事とか？」

ふふって笑った声に

2人で、ただ壁を見つめて笑った

今なら、少しくらい

素直になれそうな気がした

　
　
　