ROUND 197 ページ16
一瞬、怯んだ気持ちが足を止めた
「あの……」
「A」
目の前の彼女の言葉を遮るように
私の横でテヒが足を止めれば
対抗するように
彼女の回りに何人かの子達が足を止めた
「いつもうちのソジンがお世話になってますー」
「なんかぁ、Aさんだけ盛り上がってて
楽しそうですよねぇ？」
きゃっきゃってはしゃぐように笑った回りの子達
私なんかより数倍、この子達の方が
楽しそうに見えるんだけど……
〜♪
オープニングの曲が流れて
音量と照明の調整が始まった
「行こう」
テヒの声に頷いて
彼女達の横を通り過ぎようとすれば
「何も無かったみたいにしてますけど
いつまでそんな余裕でいれます？」
彼女の回りの子の一人の腕が
私の腕に絡んで
強制的に足が止まる
「ち、ちょっとナユンっ！」
慌てて私の間に割り込んだソジンさん
でも、私の腕に巻き付いたナユンさんの腕は余計にぎゅっと力が入ったみたいだった
「っ！」
引き留められた先
違う子の手にあるスマホが向けられてー
画面には
EXO-Lの子達のSNS
そこには
“拡散希望！
明日のTea.のステージ中の
exoペンライト禁止についてー”
その画面を見れば固まった頭
「どんなパフォーマンスするのか
楽しみにしてますねっ」
「あ、暗くて見えなかったりしませんよね？
照明あるからペンラなんか必要ないかぁ(笑)」
目の前の彼女達が笑えば
「いい加減にしてよ……っ！」
パシッと音を立てて
スマホを向けてた彼女の手を払ったテヒ
「こわっ！そんな怒んないでくださいよぉ」
「知らないと思ったから、教えてあげただけですよ？」
けらけらっと笑ったナユンさんの腕から
私の腕が離れて
3人は花道を降りた
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作者名：LINK | 作成日時：2018年6月9日 23時
