ROUND 192 ページ11
リハーサル当日ー
朝から雪の降る中
リハーサルが行われた
早い時間に会場に向かったはずなのに
会場の回りには人だかりが出来ていて
会場側のスタッフの厳戒態勢と
事務所側の厳戒態勢に
ファンの子達からはなんとか距離を保てたけどー
ファンの子達よりも近い位置に
会場に向かう通路を囲むように
マスコミの山が見えた
マスコミ関係者の首元に
テレビ局の許可証が下がっていて
テレビ局側が宣伝の為に
出演者の会場入りの取材をフリー公開にした事が分かった
「A、いくよ」
テヒの声に
キャップにフードを被せて
耳にイヤフォンを押し込んだ
「うん……」
スマホの音量を上げながら小さく頷けば
「ちょっと待ってっ！」
アナンの手が私の肩に触れて
ドアに手をかけたテヒが止まった
「え……？」
片方のイヤフォンを外して
目の前のテヒの目線を追えば
ぴったりと後ろについた見慣れたバン
タイミングを見計らったかのように
防弾少年団様達の車も到着してー
ざわついたマスコミの空気を
車内のスモーク越しからでも確認出来た
今日のリハーサルは
防弾少年団様は午後からのはずなのにー
外側から勢い良くドアが開いて
「いくぞ」
ユンギの声に
テヒが先に降りた
「ほらっ」
差し出されたジミンの手に
手を重ねれば
「何も聞かなくていい」
ぶら下がってた片方のイヤフォンを捕まえて
渡してくれたナムジュン
慌ててイヤフォンを押し込んで
早足で会場に向かう
ジミンとナムジュンに挟まれて
下を向いて歩けば
がやがやと掛けられる声と
無数のフラッシュにちかちかと目が眩んだ
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作者名：LINK | 作成日時：2018年6月9日 23時
