ROUND 140 ページ8
ナムジュン side
浮かない顔のAが
何を考えてるのか分からなかった
最近の忙しさに
ただ疲れてるだけなのか
バラエティー収録で嫌な事でもあったのか……
ただ、解読が面倒なだけかも知れない
順調に進んでた台本を
間違いがないか確認すれば
「ナムジュン……」
静かなトーンのAの声
「……ん？」
心配になってAを見れば
カップを見つめたまま
思い詰めたような表情に
どうしたらいいか分からなくて
Aの言葉を待つことしか出来ない
「ほんと……1人で出来るよ……」
「急にどうした？」
明後日には撮影だって聞いてたけど
この量を1人で、なんて
今のAには無理だろ……
「無理してまで、手伝わなくていいよ……」
Aのその言葉を
“優しさ”
そう素直に受け止める自分とは逆に
前までなら
半泣きで教えてって騒いでたAを思い出す
「俺に対する心配ならいらない
まず、自分の心配をしろ」
必要とされなくなった自分を
寂しく感じて
冷たい言葉が口を衝く
きっといつか
1人で全てが出来るようになる
それは喜ばしい事
でも、その後
俺達とー
俺との
Aの関係はどう変わるのか……
そんなの
ずっと先の事だって勝手に思い込んでた
先輩らしく……なんて託つけて
結局、Aと向き合う事が出来ない
これじゃ、都合の悪い時の
Aの顔文字と同じ
きっと逃げてるのは俺の方で
一線を引いてるのも俺の方
だから余計に不安になる
その“いつか”が来た時に
俺はどんな風にAに接すればいいのか
Aは俺に
どんな風に接するのかー
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作者名：LINK | 作成日時：2017年11月24日 22時
