ROUND 178 ページ46
なんとか涙が落ち着けば
抱き締められたまま
覗き込んだテヒョンとの距離
さっきまで感じなかった、その距離に
どきどきと鼓動が煩くなる
「大丈夫っ？(笑)」
ちょっと茶化したように笑ったテヒョン
「もう、大丈夫っ……だから離れー」
「ヤダ、このままがいいっ」
楽しそうに笑う声に
身を捩ればきゅっと余計に強まる腕
「A、この後時間ある？」
「え？」
「明日、早い？」
テヒョンの言葉の意図が分からない
この状況でどう返事をしたらいいの……
でも、いつもと変わらないテヒョンの雰囲気に
「大丈夫だけど……」
「あの時からさ……
ちょっと面倒な事になっちゃって」
「どういう事？」
「今にわかるよっ」
ばつが悪そうにテヒョンが笑う声がすれば
静かに止まったバン
扉が開けば
「え……」
ばたばたっと乗り込んできたのは
「あれ？遅くね？」
「もっと早く終わったかと思ってたのにっ」
仕事終わりの防弾少年団様でー
どかどかと
みんなを押し退けて通路を歩いてきたグク
「あ……グクくん……お疲れ様でー」
「近い、そこどいて」
緩んだテヒョンの腕が完全に離れる前に
テヒョンがグクに引っ張られて
逆の端の席に押し込まれた
「グク……？」
あからさまに機嫌が悪い顔のグクが
隣をガードするようにどかっと座れば
向こう端に座るテヒョンが苦笑いして
「……」
グクへ向けた目線で
その“面倒な事”がグクだって合図をくれた
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作者名：LINK | 作成日時：2017年11月24日 22時
