ROUND 174 ページ42
テヒョン side
昨日の夜
みんなに言われた通り
なるべくAに普通に接した
きっと、Aが考え込むのは変わらないから
オレを意識したり
避けたりするかも知れないって思ったけどー
「せっかくなのにもったいないよ！」
そうジミナが、ちょっと顔を赤くして怒った言葉が
胸に響いた
オレが撮影の自慢をすれば
羨ましいっ！って笑ったり
拗ねたり、怒ったりしてたジミナ
そう思われる環境にいるんだ
これがオレじゃなく
Aの相手がジミナだったら
きっとオレも同じ事を言うはず
こんなチャンス、もう無いかもしれない
だから
今日と、あと1回しかない撮影だって
これからのコラボだって
大事にしなきゃダメなんだってー
目の前の焚き火がぱちんと音を立てて
それとは別に“かたり”と小さく椅子の音
横を見れば
「すー……すー……」
椅子からずり落ちながらも寒そうに縮こまって
ベンチコートのフードを被って
その上からマフラーをぐるぐる巻きにしたAが眠ってる
「すごい格好……(笑)」
Aの真横に椅子を寄せて
崩れ落ちそうな体をオレの肩に寄りかからせた
もっと近くにAを感じたくてー
でも……
ごわごわとしたフードが顔に当たって
全然顔が見えない……
なんだよ、失敗した……
それでも、だらんとしたAの指を
きゅっと握る
これだけでも、いいか……
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作者名：LINK | 作成日時：2017年11月24日 22時
