ROUND 156 ページ24
テヒョン side
移動中のバンの中
LINEの着信音がイヤホンから聞こえて
画面にはAの名前
暗い車内で画面を見つめたまま
早く諦めてくれないかな……
小さく息を吐き出せば
着信画面が消えてー
画面を見つめたまま
今度は
またかかってこないかな……っ
話なんかしたくない
きっと
聞かなくていいことも
言わなくていいことも
余計な事をしちゃいそうだから……
でも
“テヒョン”
そう笑うAの顔が浮かべば
声が聞きたくて
今すぐ会いたい
今なら、少しくらい
Aの気持ちが分かるんじゃないか……
今なら、上手く
Aの話を聞いてあげれるんじゃないか……
そんな甘い気持ちと、安易な考えが頭を廻る
オレより、要領の良いはずのベッキョンさんが
落ち込むくらいの話なのに……
いい加減、都合の良すぎる自分の頭がイヤになる
それでも、本当は
Aの話を聞きたい……
LINEに並んだAからの会話は
オレの怪我についてばっかりでー
自分の事なんか1つも送って来ない
ジニヒョンから体調については聞いたけど……
それでも、オレだって心配してるのに
通話のボタンをタップする手が
躊躇する
オレに入る余地はあるのかな？
オレが知る事で何か変わるの？
オレが聞いたら
Aは、どうするんだろう……
ちゃんと話してくれるのかな……
そう思えば
不安が押し寄せてー
スマホ画面を閉じた
ごめん、A
やっぱりまだ
オレが話を聞ける状態じゃないんだ……
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作者名：LINK | 作成日時：2017年11月24日 22時
