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ROUND 152 ページ20
ガラス張りの店内に
真夜中にも関わらず何人かの人影が見えた
お店に入ってすぐに店員さんに声をかけた
「こちらへどうぞ」
愛想の良い店員さんが、2階へと案内してくれて
薄暗い照明の下
1階よりも狭いフロアに目を凝らした
奥の窓側の席に
頬杖ついて外を眺めるベクが見えて
「ごめんね、遅くなって」
向かいの席に立てば
見上げたベクが寂しそうに目を向けた
「オレの方こそごめん……こんな時間に」
いつもとは雰囲気の違うベクに
戸惑いながらも席に座った
特に顔を隠すような素振りの無いベクに
回りを見渡せば
賑わってた1階とは対照的に
私達以外、誰も見えなくてー
「わがまま言った、これくらいならいいだろ？」
静かに笑ったベク
「うん……」
店員さんにカフェラテを頼んで
帽子とマスク代わりのマフラーを外した
「体調は大丈夫？」
「うん……」
「そ、なら良かった」
いつもなら明るいベクとの会話で気にならないはずの
小さな話声と音楽が耳障りに感じて
「……まじで心配した……」
真っ直ぐ見つめるベクの目に
ただ、不安が募る
窓から見える暗い空から
白い雪が舞い降りる
酸欠みたいに空気が薄く感じるくらいの
違和感と緊張感が私を包んだ
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作者名：LINK | 作成日時：2017年11月24日 22時
